- 『ネマタの第十期天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第十期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
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第一節四回戦3卓
▼対局者
Ⓟ醍醐大
独歩
Ⓢ福地誠
タケオしゃん
東1局
東家:雀頭が出来た時に平和がつきやすいように唯一の役牌切り
南家:ほぼクイタン赤3で仕掛けていく手なので生牌のダブから切って1枚切れ残し。
北家:平和がつきやすい形で、役牌はいずれにせよ切り出す展開が多いので生牌から切って1枚切れ残し。
『Suphxの衝撃』でも取り上げられた字牌の切り順ですが、このあたりは実力者間では最早セオリー化していると言ってもよいかもしれません。
が薄く、ペンは南家に固められているのでなければ使われてなさそうに見える河。ただしタンヤオより一通になる受け入れが多いので、ペンチャンを残すなら打でしょうか。
しかし、クイタン手の南家が早々とを切っていて、それでもマンズ部分にメンツがあるとすれば、実は暗刻以外のケースがあまりありません。順子ならを使い切れる形しかなく、4枚とも見えてない中張牌のマンズがのみ。そうるとやはり打がよかったのか。この辺りも難しいものです。
が枯れ、は案外重なりそうな牌。タンヤオがつくようにここでペンチャン落とし。が枯れたのでなおのこと南家以外はを持っていないと考えられますが、巡目が深くなっても1枚も見えていないとなれば、南家に固められている可能性が高くなるというのもありそうです。
高めドラの手が、の方が安めの高め跳満の手に手変わりしました。もし東家が一通1シャンテンに取ってこのでポンテンを取れば跳満放銃ですが、南家の待ちがかなり絞れているのもありスルーされそうです。
北家はドラ受けがかぶっているので聴牌しやすいのは打。ただし受けがかぶっているということはドラ引きで高めドラの3メンチャン。単純に手牌だけみても打が悪くなさそうです。
そのうえでは南家の国士無双に当たりうる牌。国士聴牌自体はレアケースとしても、諸々の要素込みで役満放銃を回避できていた気もします。もしここでを選べていれば、今度は南家が西家に一発で7700放銃となる展開。麻雀はまさに、一寸先が闇のゲームですね。