第五章 読み
(11)鳴き手の場合はリーチに比べて河から待ちを読むことができるケースも増えます。(6)(7)でも申しましたが、「河に切られた牌が、どのような牌の組み合わせの一部であったか」を特定しやすい河になってないかを確認することになります。他家がアガるうえでよりよい手牌を目指しているのであれば、河が特徴的なほど手牌構成も読みやすくなります。
今回の問題で出てきた、「面子候補を固定されたところが鳴かれて、その前に切られた牌が3枚からなる面子候補の一部であることが分かる」、「アガリを目指す上では不要な牌が後から切られる」というのは、読みのうえで特に強い情報です。強い情報が複数揃えば、今回のように一点読みに近いことが可能な場合もあります。
読みが外れるとすれば、トイトイの場合はを引いても安手なので、をテンパイ打牌にしないことでが待ちになった時に出やすくなるように迷彩をかけた、はトイツだけどまだ1シャンテンといったケースでしょうか。ツモで倍満テンパイなら流石に勝負とみますが、外れることがあまりない読みであることも確かなので、大した手でなければテンパイでもは押さない方がいいでしょう。
(12)「手出しで面子候補が落とされた場合は、残りの面子候補はいずれもその面子候補よりも価値が高い」。これも読みのうえで重要な情報です。「もっと勝つための現代麻雀技術論」で、「テンパイさえしていれば意外と押せる」と申しましたが、これはリーチが悪形低打点であるケースもそれなりにあることが前提の話。
確実に良形テンパイであるのであれば、自分が良形テンパイなら相手の予想される打点の半分、悪形なら同程度の打点が必要ということになります。河から良形高打点濃厚と読めることはあっても、河だけで悪形低打点濃厚と読めることは有り得ないので、強い情報がある場合は、自分の手牌だけで押し引き判断を決めて本当に大丈夫かを確認するようにしましょう。
問題のような河から牌Eの手牌になり、を切ってリーチとなれば、は面子候補の一部、それもやからの切りの可能性が高いということが分かります。をチーしてであれば、ほぼか待ちに絞れます。ここでも、強い情報が揃うことで精度の高い読みが可能になるということがうかがえます。
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ツキ、流れ、勢いといったあいまいな表現を嫌ってきた著者の明晰な頭脳で、麻雀を論理的に限界まで語りつくされてます。