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ネマタの戦術本レビュー第154回「フリー麻雀で食う 上級雀ゴロゼミ 著:雀ゴロK その4」

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一限目 講座4

 麻雀のルールの中で打ち方に特に影響を与えるのが順位点関連で、1半荘の中で最も順位点の影響が大きいのはオーラスですから、普段打っているのと違うルールで打つ場合は、まずオーラスの打ち方について確認することをお勧めします。

 順位点の割合や、順位以外に素点を評価に含めるかどうかでどのように打ち方が変わるかについては、こちらの研究が参考になります。素点を評価しない順位戦であれば平場と言える点数状況の領域は、以前言われていたよりは狭く、ラスのマイナスが大きい天鳳段位戦については更にその傾向が強くなることがうかがえます。

平場についてのまとめ(局収支論の使い方) - 数理的麻雀研究サイト「現代麻雀理論」

 一方、雀荘戦のような素点を評価に含めるルールであれば、大きく負けている時こそ平場から離れますが、勝っている時はダントツであっても平場外と言える領域がありません。ダントツになれば順位が変動すること自体が少なく、素点を評価するので更に点数を稼ぐことはダントツであっても依然価値があるためです。

 しかも、祝儀に関しては、着順が変動しにくくなればなるほどその価値が高まります。平場であれば祝儀5000点は素点に換算して1500点強であるということは講座1でも取り上げましたが、これが持ち点50000点台の南場、つまりダントツで残り局数的にも簡単には逆転されない点数状況であれば4500点と、ほぼ素点そのものの価値に近づきます。

チップの価値 2 - 現代麻雀理論

 つまり祝儀有りの雀荘ルールであれば、南場の満貫ツモで逆転される程度のトップ目であれば順位も考慮して打点よりアガリやすさ重視、先行された場合の押し引き判断を降り気味に打つと言った判断が必要になることも多いですが、満貫直撃でも逆転されない点差となると、自分の手があがって祝儀を獲得できる手であれば、その1局の収支期待値を最大化するような打ち方が有力になりやすいということが言えます。

 逆転のリスクが無く純粋に局収支だけを追求できるなら、むしろ東1局原点以上に収支期待値優先で打てるケースも出てきます。図A~Cはいずれも即リーチがはっきり有利といってもいいでしょう。

 また、オーラス親でダントツとして、鳴いてタンヤオ赤赤リャンメンテンパイのケースを考えます。

 チップ1枚の価値が本当に素点にして5000点相当であれば、親のタンヤオ赤赤をツモった場合の収入は36000点と、出アガリの15800点と比べ実に2.5倍以上。ツモアガリ以外は全て見逃すとしてもアガリ率は半分程度にしかならないので、着順が一切変動しないという前提であれば、巡目が十分にあるうちは見逃してツモにかけた方がよくなります。

 逆に言えば、平場でチップ1枚の価値を5000点として戦術を組み立ててしまうと、正着から大きくずれてしまうことになってしまうので、平場の段階からルールを意識し過ぎないことの重要性もお分かりいただけたかと思います。

 「ツイている時は稼げるだけ稼ぐ」と言われます。これが、ツイている時はツモが良いという話になるとオカルトになりますが、収支戦の点数状況の話であるならむしろ辻褄の合う話であるというのが面白いところです。

  

のテンパイからが出たら、あがらずに鳴いて打としてフリテン5メンチャンに受けるという手もありますね。露骨な見逃しはメンバーとしては客層的にやりにくいところもあると思いますが、お客の立場であれば、まさに勝てる時に徹底して勝てるようにしたいところ。

 祝儀ルールは確かに運の要素こそ強くなりますが、ダントツやダンラス時でも祝儀関連で実力差が出るところなので、なおさら丁寧に打ちたいですね。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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