一限目 講座3
図Aの点数状況で南家から18000を出アガリした場合、「麻雀順位予想計算機」によるとトップ率約56%(2着率約32%、3着率約11%)。しかも下位の大差の2着目の北家はなるべくトップを目指すように手作りしてくるでしょうから、実際はもう少し逆転される確率が高くなるかもしれません。
25000点持ち30000点返しウマ1-3の場合、順位点の比率は9-1-▲3-▲7なので、南家から24000を出アガリしてトップが確定すれば、順位点を含む収支期待値は18000を出アガリした場合の2倍近くにまでなります。
リーチをすることでダマの場合に比べて収支期待値が2倍近くなるということは、ダマのままアガると安手の手でリーチを打つようなものですから、ダマで高打点であってもリーチした方がよいということがお分かりいただけるかと思います。ダマでも打点十分となるとどうしても安定志向がはたらいてダマにしたくなりがちですが、いずれにせよ麻雀は運の要素が強いゲーム。冷静な損得勘定のもとで、勝てる時に勝つことの重要性を知らされます。
図Bは南家から12000を出アガリしても2着のままなので、なおさらリーチで18000にしてトップを確定させるメリットが大きくなります。悪形テンパイだと他家にベタ降りされた場合にツモれる確率が低いので、空振りを恐れてダマにしがちですが、先述の通りこの局面だと、ダマのままアガると安手の手でリーチを打つようなものですから、良形か悪形かはリーチ判断にあまり影響しません。
図Cの点数状況で南家から18000を出アガリした場合は、トップ率約81%(2着率約18%)。これならリーチアガリでトップを確定させることができたとしても、順位点を含む収支期待値は18000出アガリの1.2倍程度。これなら平場でダマ跳満テンパイを倍満確定リーチにするようなものですから、アガリ率重視でダマ有利になります。
「勝っている時は打点よりアガリ率優先」が基本ですが、飛ばし終了が見える場合はその限りではないことが分かりました。これは逆の立場、飛び寸前の場合にも当てはめられます。負けている時はどうせラス濃厚だからといって手作りや押し引き判断が雑になりがちですが、局数が残っている段階なら、諦めなければ意外と逆転の可能性は残されているものです。単純な持ち点の多寡だけでなく、他家の持ち点との兼ね合いで打牌の方針を定めるようにしましょう。
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