一限目 講座7
本書で取り上げられているレート、ウマ、オカ、祝儀比率について、1000点=1ptとして順位点(1位-2位-3位-4位)と、祝儀が何点相当かを表すと以下のようになります。
1 35-5-▲15-▲25 2pt
2 45-5-▲15-▲35 2pt
3 35-5-▲15-▲25 3pt
4 45-5-▲15-▲35 5pt
5 55-15-▲25-▲45 5pt
6 65-15-▲25-▲55 10pt
天鳳段位戦(鳳凰七段東南)の順位点配分は90-45-0-▲135と雀荘戦とは大きく違うので、天鳳中心で打っていた人が雀荘で打つ場合、またはその逆の場合は、オーラスやラス前の点数状況判断についてはかなり意識をしてルールに合わせる必要があると言えますが、雀荘戦同士であれば順位点の比率は似たり寄ったりであることが分かります。
天鳳も段位が上がるほどラスのマイナスが大きくなるのでよりラス回避重視になることは言えますが、雀荘戦と天鳳段位戦のような大きな差はなく、残り局数が多い段階で押し引き基準を変えるのはあまり現実的とは言えません。勿論微妙なケースで判断が変わることは考えられますが、現時点でそこまで高い精度で押し引き判断を正確に変えられる打ち手は居ないでしょう。
同様に雀荘間での順位点配分の違いについても、オーラスの押し引き判断といった着順期待値を計算で比較しやすい段階になるまではあまり意識することはないと思われます。
順位点配分より、祝儀の価値の方がルールによる差異が大きいですね。赤ドラの祝儀が鳴いてもつくか、メンゼン限定かによっても打ち方が変わるケースはそれなりにありそうです。レートが高いほど祝儀比率が高くなることについては、勝った時により高い収入を得やすい(実質的なレートがより高くなる)ルールを望む打ち手が多いからで説明がつくと思います。
チップの価値 1 - 現代麻雀理論
チップの価値 2 - 現代麻雀理論
チップの価値 3 - 現代麻雀理論
講座1でも御紹介いたしましたが、チップの価値についてこちらでまとめられています。講座1では5ptを想定していましたが、それでも祝儀があるという理由で赤ドラ残しが有利になるケースはあまりありませんでした。これが2ptであればなおさら祝儀にこだわる必要はないと言えます。
ただしこれは、祝儀以外の順位点に関するルールにも左右されます。ウマが10-20か10-30の違い程度なら大きく判断が変わることはないですが、3つ目のリンク先のような、祝儀はあるけど素点を考慮しない順位戦であれば、収支戦の時に比べて祝儀の価値は大幅に上がります。特に局数が少なく順位変動が起こりにくい点数状況であれば、素点そのものより遥かに価値が高くなるケースも出てきます。
ここまで祝儀の価値が高くなると、赤がある手なら赤を使い切るようにして後はひたすら最速でアガリを目指す、ツモればほぼ収入が3倍になるので赤有りテンパイならギリギリまで見逃してツモに賭けるといった極端な打ち方が有効なケースも珍しくないでしょう。
祝儀はそこまで意識する必要がないというのは、あくまで素点と順位点の価値が十分にあることが前提であり、「ルールによってあまり変わらない」というのも、今まで検討されてきたルールの範疇では変わらないという意味であることは重々ご承知下さい。
本記事に関するご紹介
今回は中級者を完全に脱出するために、前著の内容をグレードアップ。ライバルの一歩先をいく手順や鳴きのテクニックから、立体牌図を使った押し引き判断、トップをもぎ取るためのオーラスの攻め方まで、あらゆる局面で使える実践打法を網羅。本当の強者になりたい人、必読の書!