三限目 講座9
親リーチ相手にこちらが1シャンテンとなると、平場であればテンパイしやすいうえにテンパイすれば良形高打点になりやすい手でなければ無スジを押すのは厳しいです。先攻リーチが親であればなおのこと、1シャンテンからは降りる傾向が強まります。
とは言っても、残り局数が少なくなると、降りていても結局負けることが大半なので多少分が悪くても勝負すべきケースも出てきます。元々テンパイにかなり遠くてアガリ自体かなり厳しいとなると、ラス目であってもただ素点を損するだけなので押さないことが多いため、押し引き判断が変わりやすいのは、テンパイしやすく、安手であってもアガれるかどうかで着順に大きな影響を与えるケースです。
今回の局面はまさにその典型例と言えます。仮に鳴いてタンヤオドラ1の2000点(供託込みで3000点)を東家から出アガリした場合、麻雀順位予想計算機によると、半荘終了時の1位−2位−3位−4位の各順位の確率は、およそ12−42−26−20(%)というところ。一方降りて流局(東家の一人テンパイ)に終わった場合は、6−18−30−46(%)。
得失点差としては4000点に過ぎませんが、僅差で順位争いしている他家がいる場合の着順の差がいかに大きいかが分かります。着順を考えた押し引き判断は考慮すべき要素が多く体系化されるのが難しいですが、今回のようにアガリさえすれば順位状況が大きくよくなる手については、低打点の手でも高打点とみなして押し引き判断すると分かりやすいと思います。
ただ、今回はアガリのリターンが大きいとはいえ、放銃のリスクが小さいとは言えません。東家に7700を放銃した場合に予想される順位率は、およそ1−3−20−76(%) 東家にツモられたとしても次局以降何をあがっても西家を逆転できるので、ラス回避については放銃さえ避ければまだ十分見込めます。
天鳳鳳凰卓の段位戦であるとして、今回はが通ればテンパイ時に出ていくも通りやすいので、この時点ではを押す手はありそうですが、次の無スジで打として、テンパイしないうちに更に無スジを引けば降りというところでしょうか。
順位点が押し引き、特に残り局数が少ない段階において大きな影響を与えるということがよく分かる例です。
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