三限目 講座8
危険牌を切って高打点テンパイと、安全牌を切って低打点テンパイとの比較については、現麻本講座33で取り上げましたが、表のデータはアガリ率:放銃率の比率のみを掲載していたため、これだけでは実際のアガリ率、放銃率を求めることができず正確に比較することができませんでした。
10巡目に安全牌を切ってテンパイするものとして先行リーチに追いかけた場合、リャンメン待ちの場合はアガリ率約45%、放銃率約15%、カンチャン待ちの場合はアガリ率約30%、放銃率約20%(詳細は「科学する麻雀」参照)となります。
これが危険牌を切る場合、仮に放銃率10%の牌を切るものとすると、アガリ率は、(放銃率10%の牌が通る確率)×(通った場合のアガリ率)ですから、(安全牌を切った場合のアガリ率)×0.9、放銃率は(放銃率10%の牌で放銃する確率)+(放縦率10%の牌が通る確率)×(通ったけどその後放銃する確率)ですから、10+0.9×(安全牌を切った場合の放銃率)で求められます。
子のリーチに放銃した時の失点平均は約5200点なので、3900→8000のように失点平均以上に打点が高くなるケースについては、多くの場合リターンがリスクを上回ります。局収支上はリーチの待ちがかなり絞れないうちは危険牌を切って8000テンパイに受ける方が有利になります。今回は序盤で待ちもあまり絞れていないのでなおさらポンします。
ただし、アガリのリターンと放銃のリスクは点数に応じて常に1:1というわけではありません。点数状況におけるアガリ、放銃の価値については、一限目講座4でも取り上げたこちらの研究を御参照下さい。今回は平場想定でしたが、リードしている状況で準平場となると結構微妙そうですし、そこまでいかなくてもの危険度次第では判断が変わることも考えられます。
平場についてのまとめ(局収支論の使い方) - 数理的麻雀研究サイト「現代麻雀理論」
本記事に関するご紹介
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