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ネマタの戦術本レビュー第203回「進化するデジタル麻雀 著:石橋伸洋 その10」

ネマタの戦術本レビュー第203回「進化するデジタル麻雀 著:石橋伸洋 その10」

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例題19

 リーチ判断で迷うケースはダマでも高打点の良形テンパイのケースもありますが、悪形テンパイのケースに比べ出現頻度がはっきり少ないので、悪形テンパイの場合は待ち選択も含めてほとんど迷わずにリーチを打ってくる相手でもなければ、迷ったら悪形テンパイの可能性が高くなることは言えます。

 悪形待ちが読まれやすいかもという理由で先制リーチを控えることはないと思いますが、先制テンパイの優位性を減らしてしまう可能性がある行為であるだけに出来れば避けたいところ。そのためにも、テンパイする以前の段階、特に他のことを考慮する必要がなくノータイムで打てる時こそ、予めテンパイ時にどうすべきかを判断するように意識しておきたいものです。

 今回はドラ2枚ある手牌で、が面子候補になれば西を落としてタンヤオの面子候補が揃う形。メンゼンを崩しても打点があまり落ちないので、メンゼンからのシャンテン変わらずの鳴きを入れた方がよいです。これもできれば鳴ける牌が出る前に何を鳴くべきか確認しておきたいところ。マンズの悪形が残る鳴きは抵抗がある方も多いと思いますが、悪形が残るとはいえ仕掛けがきく形にしていた方がアガリやすく、打点もあまり落ちないと考えれば鳴いた方がよいと言えそうです。一方いくらタンヤオに移行できるとはいえ、は鳴くと2シャンテン。メンゼンを崩してシャンテン戻しするくらいなら、リーチがあるメンゼン維持の方がよいでしょう。

 チーからのポンは現麻本で言うところ、「食い残し」の仕掛け。食い伸ばしや食い替えに比べて出現頻度が低いこともあり、仕掛けに慣れているつもりでも見落としやすい仕掛けです。今回のような手役の面子候補が足りていない段階から手役を狙ったために面子候補不足の状態で、手役に絡まない浮き牌(今回は)がまだ残っている段階では、出来面子を鳴くことで手役絡みの浮き牌を作れるということを押さえておきましょう。

例題20

 役牌とドラのトイツがあればホンイツにしなくても高打点が狙えるので、役牌をポンしていて露骨にホンイツ狙いの河になっている他家はドラをトイツ以上で持っている可能性が低いからドラは鳴かれにくいというのは昔から言われてきた読みの一種で、現代の視点からも比較的信用できる読みと言えます。

 今回は自分のアガリが遠い段階であるうえに役牌がトイツであるのでドラを自分で使いやすいということ。天鳳ルールとはいえ東1であればそれほど手作りの判断が大きく変わるとは考えにくいことから、私は北を残す事を推奨します。ただ、残り局数が少なく、打点があまり要らない局面であれば、他家が安手のアガリで局を流す可能性を上げるという意味でも、現時点で鳴かれる可能性が低いと読めるドラを先切りすることが有効に働くので、アガリに遠い段階からあえてドラを打つという選択も引き出しに入れておきたいところです。

本記事に関するご紹介

前著「黒いデジタル麻雀」で概念的に説明された戦術論を具体的な局面に落とし込んで解説しています。41の例題が収録されていますが、それらは決して単なる何切る問題ではなく、何を切り、何を考えておくべきかを問うています。ハイレベルになった現代麻雀において勝ち続けるにはここまで深く考えなければいけないのかと驚かされます。
 
石橋 伸洋 (著)
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定価:本体1,490円+税
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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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