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ネマタの戦術本レビュー第227回「押し引きの教科書 著:福地誠その 13」

ネマタの戦術本レビュー第227回「押し引きの教科書 著:福地誠その 13」

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 打と回答しましたが、ドラなので一応から切った方がいいと思います。面子候補オーバーで、789三色の面子候補が揃っているこの手牌であれば、字牌を抱えたことによるアガリ率の低下はほとんど気になりません。第219回の024のように、完全1シャンテンから安牌を抱えてリャンメン×2の1シャンテンにしても、実はアガリ率がそこまで落ちるわけではありません。

 それなら今回のように、字牌から切っても即を引かなければを落としていく形で、その場合は先にを外して字牌を抱えていた方が守備力で勝り、他家からのリーチをあまり気にせずに仕掛けていける手牌であれば、ひょっとしたらここで字牌を抱えていた方がかえってアガリやすくなるかもしれません。

 今回はトップ目の方針として出題されていますが、このことを考えると、実はトップ目でなくても有力そうです。ポイントは面子候補オーバーであること。アガリのためには4面子1雀頭が必要ということは、5つ目の面子候補の価値は4つ以下の場合のそれに比べて大きく価値が落ちるということ。5つ目の面子候補の代わりに、何らかの役割を持った浮き牌を抱えるという発想を身につけておくと、手作りの構想の幅が広がり、押し引き判断のうえでもより有利な押し引きができるようになります。

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 「絞り」が一般的に不利とされるのは、自分と下家のアガリ率が落ちることで、結果的に対面と上家がアガリやすくなるので総合的にみて自分が損することが多いためです。ならば、自分のアガリ率がさほど落ちず、下家のアガリ率を特に落としたい局面であれば、絞りが有力になると言えます。

 「◯◯すべき」というセオリーがあり、それが一般的には正しいとしても、できればそのセオリーを単に覚えるだけでなく、「何との比較で◯◯すべきなのか」「◯◯すべきであると言える理由は何なのか」についても押さえるようにしたいものです。そうすれば、実戦でいつセオリーを覆す選択が有力になるかについても理解しやすくなります。

本記事に関するご紹介

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福地誠 (著)
発売日:2016年12月20日
定価:本体1,200円+税
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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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