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ネマタの戦術本レビュー第226回「押し引きの教科書 著:福地誠 その12」

ネマタの戦術本レビュー第226回「押し引きの教科書 著:福地誠 その12」

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 宣言牌が字牌であれば、その前に切られた数牌のまたぎは比較的通りやすいと言えますが、それでも通っていないスジが少なくなればその分放銃率も高くなると言えます。

 宣言牌が字牌でも数牌のまたぎが当たるとして、どのような数牌が当たることが多いでしょうか。完全1シャンテンであれば頭頭のような形からリャンメントイツが残されることが多いですが、面子候補が不足していれば、リャンメントイツをリャンメンに固定して浮き牌へのくっつきを残し、面子候補が足りれば安牌としてを抱えることはありますし、面子候補が足りていてもアガリに遠い段階であれば安牌を抱えて先きりする打ち手も少なくないです。

 よって、宣言牌が字牌である場合、それまでに切られた数牌をまたぐような待ちは通りやすいとはいえ、もしまたぎが当たるとすれば、むしろ序盤の数牌の方が、面子候補が足りていない、あるいはアガリに遠いという理由でリャンメン固定された可能性が高いと言えるのではないでしょうか。よって、最初に切られた中張牌のまたぎであるが、かなり通りやすいとまでは言えないのではないかと判断しました。

 今回はまたぎでないリャンメン待ちが とまだ3通り残っているので、先切りのケースを疑ったのは考え過ぎだったかもしれませんが、今回のように中張牌のバラ切りが目立つが、一色手やチートイツのような変則手狙いでもないような河については、通常より先切りのケースもあるということは押さえておいた方がいいと思います。

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 本書の帯の問題にもなっていますが、帯には一発目であることが書かれてないのでなおさら押し有利になっています。放銃さえしなければトップだった場合に放銃してしまうと、いかにもミスをしてしまったような気がしてしまいますが、リーチの手牌が「放銃さえしなければトップ」だったかどうかはリーチを受けた段階では分かりません。

 むしろトップから直撃して一発や裏がついてやっとトップのテンパイであれば、下位者に放銃して着順が落ちるリスクを嫌ってダマにすることも増えるので、その分ツモられたら逆転されるテンパイであることが多いのではないでしょうか。

 本書は河の状況が無い問題が多く、そのような問題で意見が分かれた場合は、想定している条件が違うものとして考えましたが、今回の問題は条件が明確なのではっきり異議を唱えました。  

本記事に関するご紹介

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ベストセラー「現代麻雀技術論」シリーズに続く新定番ができました!
 
福地誠 (著)
発売日:2016年12月20日
定価:本体1,200円+税
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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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