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ネマタの戦術本レビュー第219回「押し引きの教科書 著:福地誠 その5」

ネマタの戦術本レビュー第219回「押し引きの教科書 著:福地誠 その5」

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 中盤の先制リャンメンリーチなら和了率:放銃率=6:1程度(9巡目で和了率約60%、放銃率10%)が見込めますが、仮に他家3人が全員ベタ降りするとしても、9巡目なら約50%の和了率が見込めます。全員が降りるならあがった時の打点が必ず跳満以上になるうえに放銃率は0%になるので、実は局収支期待値の観点からは、他家に降りられるとしてもダマ満貫でもリーチが有力になります。

 ただし、麻雀は素点だけでなく着順を競うゲーム。満貫をあがればトップ濃厚になる局面ならもちろんダマ寄りになりますし、負けている時であっても、満貫出アガリで放銃した他家と16000点の差がつき着順を上げられることが多いので、アガリ率重視でダマにする局面の方が、跳満以上にする価値が特に大きい局面に比べれば多くなると言えます。

 基本的に内寄りの待ちの方がリーチすることによるアガリ率の低下が大きいためダマ寄りになることが多いことは言えますが、局収支期待値の観点からはいずれも大差無く、内寄りの方がアガリ率の低下が大きいというのもあくまで一般論に過ぎない(ダマにしていても出アガリが期待できない場合はむしろリーチ寄りになる)ので、セオリーをそのまま適用するだけでなく、個別の局面に着目することも意識しておく必要があると言えそうです。

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 「現麻本」では、基本は完全1シャンテンから受け入れを狭めて安牌を狭めることはないとしましたが、最近の研究から、条件次第で安牌残しが有力になるケースも珍しくないことが分かっています。先切りによって待ちを読まれにくくなる効果もあるので、安牌残しが有利になるケースは案外多いのかもしれません。

完全一向聴VS安牌残し両面両面一向聴と相対速度 - とりあえず麻雀研究始めてみました

 どちらがはっきり有利というわけでもないので、完全1シャンテンに受けるにしろ安牌を残すにしろ、その後の押し引き判断や、他家の手牌進行読みの精度がものを言いそうです。どちらか一方に決めつけてしまうと、その辺りの判断が疎かになりがちなので注意したいですね。

本記事に関するご紹介

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ベストセラー「現代麻雀技術論」シリーズに続く新定番ができました!
 
福地誠 (著)
発売日:2016年12月20日
定価:本体1,200円+税
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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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