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ネマタの戦術本レビュー第717回「場況を見抜く!超実戦立体何切る 著:平澤 元気 その14」

ネマタの戦術本レビュー第717回「場況を見抜く!超実戦立体何切る 著:平澤 元気 その14」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

第3章 テーマ 29

 字牌単騎リーチは生牌より1枚切れの方がアガリやすく、終盤なら生牌より2枚切れの方がアガリやすいです。また、字牌は数牌より巡目が深くなるにつれて放銃率が上昇しやすく、終盤の生牌字牌は無スジ19と放銃率があまり変わらなくなることも、『統計学のマージャン戦術』で示されています。
 また、中盤以降は生牌字牌より1枚切れ字牌の方が重なりやすいことも、『現代麻雀最新セオリー』で示されています。数牌もノーチャンスになってシュンツを形成しなくなれば、字牌と同様の現象が起こると言えます。


 シュンツを作りにくく相対的にトイツができやすいと予想される場況をトイツ場と呼びます。トイツ場関連の読みの話も一昔前は盛んにされていましたが、これも「宣言牌のソバは危険」といった待ち読み同様、部分的には正しくても、一般論に拡張しようとすると誤りになるものが少なからずありました。今後麻雀を学ばれる方は、トイツ場という抽象的な概念ではなく、より個別的で具体的な読みを元に、特定の牌がトイツ以上で持たれている可能性がどの程度あるかを判断されることをお勧めします。


 問題3はノーチャンスとスジの比較。ノーチャンスはシュンツを作らないので実質字牌相当。字牌とスジ19なら、後者は他家がシュンツで持っている可能性がある分待ちになりにくいことから打とします。

第3章 テーマ 30

 1シャンテンからの押し引き基準はこれまでも何度となく取り上げてきましたが、本書の基準を満たさない領域、つまり、「2翻以下」「悪形残り」「終盤」になると、多くのケースで無筋を押さずに降りた方がよくなることが上の押し引き表からも確認できます。自分が親の場合はもう少し押せる領域が増えますが、それでも安手かつ悪形のように押さない条件が2つになれば降りた方がよさそうです。


 問題3はトイツを落としてリャンメン×2の1シャンテンなので、ここで押してメンツができれば現物を切ってテンパイに取れるという押し寄りの条件が加わります。テンパイ時に切る牌が現物なら局収支で+400点とあるので、微妙なケースであってもやや押し有利〜押し有利にまで押し寄りに傾くことにあります。よってがやや薄いという不安点はありますが、それでもこの時点では押しがよさそうです。

場況を見抜く!超実戦立体何切る

本書は平澤元気プロによる立体何切る問題集です。麻雀の「何切る問題」には大きく分けて2種類あり、自分の手牌だけの情報で受け入れ枚数が最も多くなるような牌を選ぶ「平面何切る」と麻雀の実戦さながら、相手3人の捨て牌やポン・チーの情報などを全て加味した上で何を切るかを選択する「立体何切る」があります。

麻雀界ではここ1、2年で「平面何切る」の良書が数多く出版されたこともあり、平面何切るにおいてはかなりレベルの高い知識が共有されています。

ではその中で差をつけるものは何でしょうか?その答えの一つが「立体何切る」です。

立体何切るでは、平面何切るの知識に加えて、河、点数状況、今が何局目であるか、といった多くのファクターを考え合わせた上での最善手を導き出す必要があります。

本書は現代麻雀の立体何切る問題集として先陣を切るものであり、本書の内容をマスターすることで一群から抜け出す雀力を身につけられるはずです。

 
平澤 元気
単行本:1,663円
Kindle Unlimited
 
 

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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