- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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コラム 1
「オカルトは悪か」この質問に答えるうえでは、「麻雀においてオカルトとは何か」「何にとって悪なのか」を明確にしておく必要があるでしょう。
ここでは、配牌やツモといった「抽選」の領域に、「選択」「結果」が影響するという考えを指すものとします。
「何にとって」が、「麻雀を楽しむため」であれば、オカルトは悪ではないでしょう。麻雀が多くの人に遊ばれてきた理由に、エンターテイメントとしてのオカルト麻雀を外すことはできません。「麻雀が強くなるため」であっても、「好きこそものの上手なれ」という言葉があるように、オカルト的発想から麻雀に興味を持つようになった人にとっては、必ずしも悪とは言えないかもしれません。
しかし、「既に麻雀を楽しんでいる人が、麻雀が強くなるため」であれば、オカルトは麻雀の真理から遠ざける悪と言わざるを得ません。麻雀が強くなるために必要なのは、「どうすれば最も勝ちやすいか」という価値観において、打牌候補をありのままに評価できるようになることです。
逆に言えば、「何にとって」という前提が無ければ、そもそも物事に善も悪も無いということになります。麻雀に限らず、私達は「◯◯すべき」「◯◯した方が得」と言いがちですが、そこには必ず「自分にとって」という前提があるのです。
もちろん、生きている人間である以上、「自分にとって」というこだわりを捨てることはできません。しかし、もし捨てることができるのであれば、あらゆることから自由になり、全てをありのままに、等しく尊いものと見ることができるのではないでしょうか。仏教でいうところの「悟りの境地」とは、つまりはそういうことなのです。
物事を真にありのままに見ることができるのであれば、生死にこだわることすらありません。しかし、「生きているうちが花」「死ぬのは嫌だ」、もしくは「生きるのが辛いから死んで楽になりたい」というように、私達はその時の自分の都合で生死に善悪をつけるこだわりからどうしても離れることができません。「死後の世界」というのも、今生きている世界にばかりとらわれている私達に、ありのままに見ることのできる「悟りの境地」に導くための手立てではなかったでしょうか。科学が発達したと今となってはオカルトじみた話かもしれませんが、当時は「(生きている時の身体がそのまま残ったような)死後の世界」を誰もが信じていたということも留意するべきでしょう。
麻雀は人が作ったゲームですから、どうやれば勝てるかは人が科学的に解き明かすことができます。しかし、世界は人だけで作られるものではなく、科学が発達した今となっても、生死の問題を解決することはできません。だからこそ、生死も善悪も超えた存在に身をまかせるような「信仰」は現代においても欠かすことはできないのではないでしょうか。「宗教」全般がオカルトと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、私はこの点から、「オカルト」と「宗教」は同一視されるべきものではないと考えます。
場況を見抜く!超実戦立体何切る
本書は平澤元気プロによる立体何切る問題集です。麻雀の「何切る問題」には大きく分けて2種類あり、自分の手牌だけの情報で受け入れ枚数が最も多くなるような牌を選ぶ「平面何切る」と麻雀の実戦さながら、相手3人の捨て牌やポン・チーの情報などを全て加味した上で何を切るかを選択する「立体何切る」があります。
麻雀界ではここ1、2年で「平面何切る」の良書が数多く出版されたこともあり、平面何切るにおいてはかなりレベルの高い知識が共有されています。
ではその中で差をつけるものは何でしょうか?その答えの一つが「立体何切る」です。
立体何切るでは、平面何切るの知識に加えて、河、点数状況、今が何局目であるか、といった多くのファクターを考え合わせた上での最善手を導き出す必要があります。
本書は現代麻雀の立体何切る問題集として先陣を切るものであり、本書の内容をマスターすることで一群から抜け出す雀力を身につけられるはずです。
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