- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第3章 テーマ 31
メンゼンテンパイ時に切る牌がリーチ者の現物であれば、たとえ親リーチに悪形のみ手であっても、危険牌だとしてもドラ1あれば追っかけリーチが成立することが『現代麻雀最新セオリー』にて示されました。しかし、これはあくまで完全にベタオリするよりは局収支上は勝るということが示されたに過ぎません。押し引き判断はあくまで打牌同士の比較。実戦では引いた場合も一定確率で押しに転じる可能性が残るので、押すかどうか微妙なラインであれば、基本的に一旦引くものとみなした方がよいかもしれません。
問題1はカンチャンドラ1テンパイかつ切る牌が安牌なので元々押し寄り。ダマで手変わりや降りる余地を残すくらいなら追っかけます。問題2は切る牌が危険牌かつ、くっつきでよりよい手で押し返せる可能性も十分あるので打の回し打ちが得策。問題3も同様の理由でペンチャンを落としてドラそばへのくっつきを狙います。
第3章 テーマ 32
同じ現物を切るにしても、次巡以降押し返す手順がなければ、リーチ者以外の他家への放銃も避けるべく、手牌を崩してでも将来危険になりやすい牌を切って共通安牌を残すように打ちます。選択としては地味ですが、実戦では何度となくベタオリをすることになるため、出現頻度が非常に高い重要な技術です。
ただし、鳴き手にテンパイを取られる損失も大きい場合がこの限りではありません。問題3のように下家がドラをポンしているようなら、安易にリーチの現物を合わせ打ちせず、下家にも鳴かれない牌から切るようにします。
場況を見抜く!超実戦立体何切る
本書は平澤元気プロによる立体何切る問題集です。麻雀の「何切る問題」には大きく分けて2種類あり、自分の手牌だけの情報で受け入れ枚数が最も多くなるような牌を選ぶ「平面何切る」と麻雀の実戦さながら、相手3人の捨て牌やポン・チーの情報などを全て加味した上で何を切るかを選択する「立体何切る」があります。
麻雀界ではここ1、2年で「平面何切る」の良書が数多く出版されたこともあり、平面何切るにおいてはかなりレベルの高い知識が共有されています。
ではその中で差をつけるものは何でしょうか?その答えの一つが「立体何切る」です。
立体何切るでは、平面何切るの知識に加えて、河、点数状況、今が何局目であるか、といった多くのファクターを考え合わせた上での最善手を導き出す必要があります。
本書は現代麻雀の立体何切る問題集として先陣を切るものであり、本書の内容をマスターすることで一群から抜け出す雀力を身につけられるはずです。
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