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ネマタの戦術本レビュー第730回「現代麻雀の神ワザ 著:鳳南研究所 その9」

ネマタの戦術本レビュー第730回「現代麻雀の神ワザ 著:鳳南研究所 その9」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第一章 分析5のつづき

 48ページ 親は子の場合より放銃失点が低く、被ツモ失点が高い。また、他家がこちらの仕掛けやリーチに対して降りることも増えます。よって、先手を取るのが難しいため、子であれば安牌を抱えつつうまく手が入った時だけ攻めるようなケースは、「親であればスピード重視で真っ直ぐ攻める」ということが言えます。

 
 しかし、親の打点は子の1.5倍ですので、先手を取りやすい手の場合は、むしろ親の方がスピードより打点を重視することが増えます。平場で判断が変化することは多くないですが、今回のようにリードしている場合は、子であれば局を流せることが大きなメリットになるので安手でもよしとしてドラを切ることもありそうです。


 1シャンテンに取るかどうかは前回と同じ要領。をツモった場合も、カンのドラ1でリーチするよりは、ドラのと123三色目があるとのくっつき1シャンテンが勝るとみて打とします。

 49ページ 36ページの、「変化は量より受け優先」と同じ要領で考えます。確定三色の1シャンテンの方が、先に三色が完成してリャンメン待ちが残る可能性も考慮すれば、以外で雀頭ができて高めイーペーコーの平和1シャンテンになるよりも強そうです。

 50ページ 37ページの「アガリに近い段階でにテンパイ時にアガリやすい(他家から切られやすい)ように河を作る」の発想に近いです。今回は受け入れが4枚減りますが、三色確定形となれば、リャンメントイツから安牌を残してリャンメン固定するよりもロスはむしろ少ないかもしれません。同じスジ待ちカンであっても、リーチ宣言時にのそばが切られるとカンはむしろ本線と見なされがちなので、テンパイさえすればアガリ率で結構差がつくことになりそうです。


 逆に言えば宣言牌が字牌であっても、手役絡みであれば宣言牌以前に切られたスジ数牌でも当たり得るということなので、振ったら高打点である可能性が高いことは注意しておきたいです。中張牌の先切りが多用されれば、それだけ通っていない牌も減るので、河によってはそこまで安全と言えなくなります。

 51ページ 前回の46、47ページと同じ要領で考えれば、打ツモはカンのドラ2テンパイになりますが、打ツモならドラ周りのくっつきに加え、ツモの多メンチャンテンパイがあります。微妙なところではありますが、確かに序盤ならカンチャン落としに分がありそうです。


 便宜上「序盤なら」と書きましたが、テンパイを逃す代わりにできるくっつき1シャンテンの手牌がテンパイよりもよいと言えるかは局面の影響も受けやすいです。そのことを踏まえたうえで、今回取り上げたような判断基準を利用して下されば幸いです。

 52、53ページ 「配牌を見たら三色を探せ」とは阿佐田哲也氏の言葉です。一昔前の手役重視の風潮を象徴する言葉でもありますが、「狙え」ではなく、「探せ」であることがポイントです。これまで取り上げられたような「違和感のある打牌」ができるために必要なのは、知識というよりはむしろ意識です。


 「現代麻雀の神ワザ」と紹介されていますが、実はここで取り上げられている手筋の中には、一昔前の麻雀戦術本を読んでいる人ならむしろ常識的なものもいくつかあります。正しく手牌と場を認識できてさえいれば、実はそれほど難しい選択ではありません。狙うかどうかは別として配牌の段階で予め意識しておくことをお勧めします。

現代麻雀の神ワザ

本書は日本最大のネット麻雀サイト「天鳳」における鳳南(鳳凰卓の東南戦)で、麻雀強者の牌譜を見続けてきた「鳳南研究所」による書き下ろしの麻雀戦術書です。

「強者の共通点はびっくりするほど少ない」と筆者は言います。

本書では天鳳位を始めとする強者たちの打ち筋の共通点を見出すとともに、それぞれの独自のバランス感覚(他人にはマネできない本人だけの「勝ちの型」)を明らかにすることを目指すものです。

数え切れないほどの牌譜を見てきたからこそ分かる、異彩を放つ一打とその背景にある麻雀理論。

本書で「現代麻雀の神ワザ」を体感していただき、みなさんの「麻雀の型」をさらにレベルアップさせる一助にしてください。

 
鳳南研究所
単行本:1,663円
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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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