- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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Logic1
本書では実力を「知識」「経験則」「メンタル」に分類していますが、これは現麻本コラム、選択の手順の「判断」「認知」「操作」にそれぞれ該当します。
私が、「経験則」という言葉をあまり用いないのは、昨今のデータ研究によって、先人の経験則が誤りであったことが示されたものも多々あるためです。人間がありのままを認識するのが難しい、「確率」の存在を無視できない麻雀においては、経験則は正着を選ぶうえでかえって妨げになってしまうことも多いものです。
しかし、そのような経験則や直感に頼っている打ち手が必ずしも弱いとは限りません。むしろ結果を出せていたからこそ、自分の経験則が正しいと疑わなかった人も少なくないのではないでしょうか。
「東1局のピンフドラ1テンパイなら即リーチ有利」というように、特定の手牌、局面についてどうすればよいかを判断するための知識をセオリーと言います。手牌、局面を特定したうえでの判断ですから、手牌や局面が変われば判断が変わることもありますし、同じであってもより細かく分類していけば、中には例外的にセオリーが成立しないケースも出てくるかもしれません。
現状がどんな局面かを踏まえたうえで、セオリーが本当に成立すると言えるのか、成立しないのであれば何を切るのが正解なのか。その為に必要なのが認知能力と、本書で言うところの論理的思考力です。認知能力が身に付けば、それだけ論理的思考に頭を回すことができます。
「メンタル」が「操作」に該当するとしたのは、「自信が無くて他の牌を切ってしまった。」「焦って隣の牌を切ってしまった。」というように、判断の時点では正着を導けていたにも関わらず、打牌の段階で別の牌を切ってしまうミスは、多くの場合メンタルが影響しているためです。人間である以上メンタルから来るミスを完全に無くすことはできませんが、これも論理的思考力が身に付けば、自然と判断に自信が持てるようになり、時間に追われて焦ってしまうことも確実に減らせます。
論理的思考で勝つ麻雀
「選択と抽選のゲーム」と言われる麻雀。
プレイヤーの実力が反映される「選択」の精度を高めることは何よりも大切です。
本書ではそのために必要な考え方、戦術を論理的に解説します。
著者は麻雀の思考の言語化の達人、中嶋隼也プロ。ロジカルで分かりやすい解説が遺憾なく発揮されています。
点数状況・巡目・他家の挙動など、状況が刻一刻と変わるゲームである麻雀において、得な選択肢を選び続けるための論理的思考力を本書で身に付けましょう!
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