- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏の回答+補足説明になります。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。
問1 打 愚形3翻テンパイなので終盤でも基本は押し、しかしアガリ牌のが表示牌に1枚、チャンタ仕掛けの西家に1枚ある可能性大、その仕掛けに押してリーチしてきた北家にドラメンツかターツで1枚ある可能性がそこそこ高い(赤ナシなので尚更)、東家は不明。アガリ牌が精々1枚程度しか残っていないとなると降りが無難とみます。愚形テンパイの場合は山に残っているかどうかで先制リーチ、押し引き判断が変わることが多いです。
確かには通ってそうなので回し打ちの選択はありますが、そこまでは考えが及びませんでした。
問2 スルー アガリ牌が1枚だけ増えるのは南家西家に少しでもこちらの当たり牌を止められやすくなれば帳消し。跳満以上になるケースを減らすのでスルーします。鳴けばトップ目のリーチ者の東家から直撃できるケースが増えるという発想はなかったです。満直より跳満ツモの方が点差が縮まるのでやはりスルーしそうですが。
危険牌を切ることになるのでダマでも現物待ちは警戒されやすいですが、ダマのまま押してもそれほど損するわけではないので、脇からまず出ないと判断できるまではダマのまま押します。
問3 ダマ に受けてもに受けても残り4枚と実質愚形、終盤で親リーチの現物、スジ待ちにつきダマにします。親が七対子等変則手の可能性がそれなりにあるので、スジのよりは待ちが残る方がアガリやすいとみます。
問4 打 次何引いても押さないので現物から切ってベタ降り。
問5 ポン オカがあるルールで、あがられるとまくられる他家からリーチが入っていてこちらもテンパイなら基本的に押し。親は→と切って立直なのでよりスジのの方が危険です。
問6 でチーして打 鳴くとホンイツが警戒され絞られやすくなるのでアガリ率ではスルーした方がよさそうですが、アガリ時に満貫以上が確定するメリットが大きいので鳴きます。
問7 打リーチ ドラなら手変わりを待つメリットがあまり大きくない。
問8 打 良形2翻なので基本押し。カンが入ってますがリーチ者の打点が満貫としてもまだ降り有利にまではならず、トップ目とはいえ東場で満貫差しかないのでまだ押します。ただ結構微妙な差なので、降りる時に切る牌が暗刻のではなく、ターツ落とし等比較的ケイテンに復帰しやすいなら回し打ちの方が有力かもしれません。
問9 ポン打 西家に容易に捲られる点差、アガリやめのない収支戦なのでアガリを目指しつつ高打点の目は残す。字牌が重なれば混老頭のターツが足り、はチャンタ、はドラ受けとホンイツ。鳴き手の場合はトイツ固定するロスが小さいので,を切ってトイツ固定とします。
問10 打 ターツオーバーなのでを三色目が残る複合ターツ(のをフォロー牌とみなす)の一部として残してもロスが少ない。ドラ白ポンを逃すのが微妙ですが、河的に西家からすぐ出ることは考えにくく、先に1シャンテンになった時に三色目が残るメリットが上とみます。
問11 打 2シャンテンなので基本降りですがは西家にはまず通る牌、南家には本線ですが放銃しても高くて2000点。点数状況的に流局ノーテンより南家に放銃する方がよいので差し込みも兼ねて切ります。
問12 打 東家はノーテンの可能性が高いですが、12000以上確定なのでここから押すのは損。安牌を切るなら現状は西家が切ったので通っているけど将来危険になる可能性があるから切ります。
問13 打リーチ を切っていなければ実質愚形&打点的手変わりが強いので切ります。4巡目カンテンパイの時点ではリーチのみ愚形で打点的手変わりもあるので切ります。
問14 打ダマ 愚形ダマ4翻、無スジカンなので基本ダマ。手変わりもあるので尚更です。
問15 打リーチ 手変わりがそれほど多くなく、待ちもそれほど悪くないのでリーチ。前巡はカン1枚切れ&南家がピンズ染め濃厚なので、愚形の中でも待ちが悪い&手変わりもそこそこあるということで打とします。
問16 打 チートイ2シャンテン、メンツ手3シャンテンなのでチートイを残しつつメンツ手に変化した時のチャンタをみます。
日本プロ麻雀協会の『進取果敢 ~強者たちの選択~』
プロの意見は必ずしも一致しません。むしろ正反対のような答えも飛び出します。しかし、全員一致しているのは、すべての選択に根拠があるということです。それぞれがしっかりとした麻雀理論、麻雀哲学を持っており、すべての答えはそこから論理的に導かれます。渋川難波、小倉孝、鈴木達也、鈴木たろう、須田良規、金太賢・・・日本プロ麻雀協会を代表するトッププロたちが繰り広げる頭脳バトル。一打一打に込められた深い読みの裏づけに驚かされます。とにかく、読んで楽しい本であることは間違いありません。
本書を読むことで麻雀の考え方に対する視野が広がり、自分自身の麻雀を見直すきっかけにもなるはずです。