- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。
p32 メンツ候補が足りている手牌からの役牌ポン。1メンツも無い手ですが、序盤かつ親となれば鳴きの一手。安くて遠い仕掛けであれば、親ほど鳴き寄りといえます。今回くらい序盤ならトップ目の子でも鳴くところでしょう。
はスルーとしているのは序盤につきソーズが良形に変化しやすくツモもあるので、あわよくばメンゼンで高打点テンパイになる可能性を残すというところでしょうか。鳴き派は単独カンチャンを一律にネックとみなしがちなので、このあたりを局面に応じて選べるようになりたいものです。
33p メンツ候補が足りてホンイツになれば高打点。これならアガリに遠くても積極的に鳴いていくところです。個人的にはが重なる前からを仕掛けやすいように、ホンイツを強くみても残してそうです。
34p メンツ候補が足りていて役があっても、1メンツも無い安手の場合は守備力との兼ね合いで鳴きづらいですが、1メンツあれば1つ鳴いて1シャンテン。先手でテンパイ取れることが多いので鳴いて進めやすいです。
メンツが無くてもやから鳴くならトイツが残るので鳴いても守備力が残りやすいので鳴く(は鳴かない)という意見、から鳴いた方がアガリやすいので守備力が落ちるとしてもカバーできる、手が進まなければ後々安牌を抱えればよい(1メンツ無くてもは鳴く)という意見もあります。個人的にはをツモる前からも鳴く派でしたが、最近は必ずしもそう打たないことも増えています。正直な話結構気まぐれで決めていますが、元々はっきり優劣がある判断ではないので、「必ずこう打つ」のように決める必要性は薄いと考えます。
35p メンツ候補不足でネックでもないので基本スルーするところ。36pのようにメンツ候補が揃っていればチー。ラス前のトップ目なので安手でもアガリの価値は高いですが、放銃リスクも結構高いので、それほどアガリやすくならなそうなところからはスルーというところでしょうか。上家がこちらにアシストするのが正着になる局面ならから仕掛けることもありそうです。
リツミサンの『超メンゼン主義麻雀』
小さい上がりをリスクを回避しながら積み重ねていくのが良しとされる天鳳。平均フーロ率3~4割が当たり前という中にあって、フーロ率2割2分という驚異的な少なさでハイアベレージを続けている異色のプレーヤーがいます。それがリツミサンです。
鳴かなければ手牌が複雑になり、より正確な状況判断能力や読みの力が要求されるのが麻雀。リツミサンの麻雀の特長はまさにその正確な状況判断と読みの確かさにあります。本書でリツミサンが何を、どう考えて麻雀を打っているか、その全貌を見ることができます。
また、「ミスからどのように学べるか」「読みは相手より自分の手を見返すほうが効率よく学べる」など、上達のアドバイスが随所に書かれているのも本書の大きな特長。 一冊を通して読めば、これまで自分が考えたことがなかったような麻雀の捉え方や新しい選択肢が必ず見つかるはずです。