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ネマタの戦術本レビュー第937回「『超メンゼン主義麻雀』編 その7 著:リツミサン」編

ネマタの戦術本レビュー第937回「『超メンゼン主義麻雀』編 その7 著:リツミサン」編

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。

47p の間の手出しが1枚だけなので単純なペンチャン落としも否定できるわけではありませんが、それならの順で切られることが多そう。はフォロー牌であった可能性が高いと言えます。2枚切れでなくてもが両スジになるのでカンに受けるところ。スジであっても無スジ以上に危険になり得るケースの一つです。テンパイ打牌が浮き牌ではなさそうということに気付くことが、待ち読みの第一歩になります。

48p これもがフォロー牌のケース。を3枚も切っているという情報だけだとが安全そうに聞こえますが実際は危険牌の筆頭。手順読みの重要性がうかがえます。

フォロー牌の可能性が高いことが分かったら、次に考慮するのはどのようなターツ+フォロー牌のパターンが考えられるかを考えます。確かにカンのケースは薄そうですが、逆に言えばリーチ者が何らかの理由でカンを選んでいれば放銃することになるため、打ち手によっては信頼度の低い読みになります。待ち選択関連は案外読みが外れることも多く、安全と決めつけていると外れた時のリスクも大きいので注意する必要があります。

49p がフォロー牌なのは明確ですが、形のうえではリャンメン落としに見えるので待ちを想定しがちです。しかし本書の指摘通り待ちならが先になることが多い。そうなるとは悪形メンツ候補のフォロー牌の可能性が浮上します。

気になるのはの間が全てツモ切りであること。からを切って次巡以降を残したケースではないということです。ならそもそもを残しそうなものです。

しかし、から打、次巡ツモで打なら辻褄が合います。

他にはが唯一の雀頭)と持っていて、リャンメン落としの選択でツモでも手広くなることからを引っ張って打からリャンメン受けよりドラ絡みトイツを優先して打が考えられます。

いずれも限定的な手順ではありますが、「ありえないもの」を取り除いた結果残ったものであれば、なさそうであってもそれこそが有り得るケースということになります。

50p 本書のケース以外に頭頭からの打頭頭からのポンテンやコーツ手狙いの打も考えられます。が2枚切れであることもが切られやすい要因になります。の間に手出しが1回だけなので、やはり待ち本線とみますが、何らかの理由でリャンメンを残していないケースが有り得ることも注意しておく必要があります。

リツミサンの『超メンゼン主義麻雀』

小さい上がりをリスクを回避しながら積み重ねていくのが良しとされる天鳳。平均フーロ率3~4割が当たり前という中にあって、フーロ率2割2分という驚異的な少なさでハイアベレージを続けている異色のプレーヤーがいます。それがリツミサンです。

鳴かなければ手牌が複雑になり、より正確な状況判断能力や読みの力が要求されるのが麻雀。リツミサンの麻雀の特長はまさにその正確な状況判断と読みの確かさにあります。本書でリツミサンが何を、どう考えて麻雀を打っているか、その全貌を見ることができます。

また、「ミスからどのように学べるか」「読みは相手より自分の手を見返すほうが効率よく学べる」など、上達のアドバイスが随所に書かれているのも本書の大きな特長。 一冊を通して読めば、これまで自分が考えたことがなかったような麻雀の捉え方や新しい選択肢が必ず見つかるはずです。 

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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