- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。
51p 鳴いてテンパイの場合は、テンパイ打牌がフォロー牌であった場合、必ずその牌がフォローしていたターツ(トイツ)が待ちとして残っているということになるので読みの信頼度が高まります。そのうえで待ち選択を考慮すれば、一点に近いレベルで相手の手牌構成を読めるケースも少なくありません。
52p がフォロー牌確定なので、その後のも大体フォロー牌ですが、ポンテンの場合は周辺が雀頭で別のところが待ちになるケースがあるので、チーテンの時ほど待ちを絞り切れません。
しかしそれが分かっているだけでも、本書に示されている通り手牌構成について読めることは多々あります。全ての可能性を列挙するのは無理だとしても、どのような形が残っているか反射的に意識できるようになることが実力向上につながる事は間違い有りません。
54p フォロー牌であることを読んだ後は、どのようなターツ+フォロー牌の組み合わせであったかを絞ることになりますが、何が鳴かれていないかを踏まえることでも更にパターンを絞ることができます。昨今の戦術書で何度となく触れられている内容ですが改めて押さえておきましょう。
55p ここまで最終手出しがフォロー牌であるケースを見ていきましたが、ターツの一部である場合もあります。単騎待ちでなければ既にテンパイしているところからの待ち替えです。浮き牌やフォロー牌だったケースと区別がつかずに盲点になる場合もありますが、今回のように一度切った牌をすぐに鳴き戻したケースは典型的な一点読みがきくケースです。
と何かのシャンポンのままなら他家に警戒されずに出アガリできることもあり、リャンメンに手変わりする牌をツモる場合もあります。警戒されやすい良形リーチと悪形ダマのアガリ率がさほど変わらないことを踏まえると、相手が読みを入れてこない打ち手である可能性が十分にあったとしてもはスルーの方がよさそうです。
56p 一見フォロー牌のように見えても、何らかの理由で浮き牌を残していたケースもあります。今回のように当たりそうな牌を止めていたケースはその典型例です。逆に言えば、危険牌を先の勝負した後に安牌が出てくるようであれば、降りたのでなければその安牌がフォロー牌であった可能性が益々高くなると言えそうです。
57p より以前に切られた牌が浮き牌としてより価値が高いわけではないので、が浮き牌であるケースを否定できません。手牌読みを学んでいると、相手が常に強いメンツ候補が揃ったところからの仕掛けと判断して必要以上に警戒したり、逆にこの牌以外は通ると勝手読みして不要なリスクを負いがちになります。知識を身につけるとつい実戦で利用したくなりますが、そのまま活用できるケースがすぐに来ることの方がむしろ珍しいということを踏まえたうえで知識を身につける必要があります。
58p 役牌が雀頭だと役無しになるケースについては、役牌ポンの仕掛けもチーテン同様周辺が危険になりやすいと言えます。相手の待ちがリャンメンであることを前提に考えてトイトイの可能性を見落とすというのもありがちなミス。ここは通ると決めつける前に、「当たるとすればどんな形か」を確認する癖をつけておきたいものです。
リツミサンの『超メンゼン主義麻雀』
小さい上がりをリスクを回避しながら積み重ねていくのが良しとされる天鳳。平均フーロ率3~4割が当たり前という中にあって、フーロ率2割2分という驚異的な少なさでハイアベレージを続けている異色のプレーヤーがいます。それがリツミサンです。
鳴かなければ手牌が複雑になり、より正確な状況判断能力や読みの力が要求されるのが麻雀。リツミサンの麻雀の特長はまさにその正確な状況判断と読みの確かさにあります。本書でリツミサンが何を、どう考えて麻雀を打っているか、その全貌を見ることができます。
また、「ミスからどのように学べるか」「読みは相手より自分の手を見返すほうが効率よく学べる」など、上達のアドバイスが随所に書かれているのも本書の大きな特長。 一冊を通して読めば、これまで自分が考えたことがなかったような麻雀の捉え方や新しい選択肢が必ず見つかるはずです。