・ 「1アタマ4メンツ」が完成しているものを「0」
・ 1手で完成するものを「1」
・ 2手で完成するものを「2」
・ 「0」「1」「2」から5つ足して合計が最小になるものが、「メンツ手」のアガリまでの手数
前回取り上げた、アガリまでの手数を簡潔にまとめるとこんな感じでしょうか。「0」は「1」より残すと押さえておくだけでも、第28回で取り上げたような、アガリに必要なアタマを崩してしまうミスを減らせると思います。
ところで、「1」に相当するのは、ターツや2つ目以降のトイツですが。麻雀で単にターツと言うと、リャンメンターツ、カンチャンターツ、ペンチャンターツの3種類のいずれかのことを指し、トイツは含まれませんし、357のようなリャンカンも含まれません。
リャンカンのような3枚からなるものを複合ターツと呼ぶ場合があります。昨今の戦術書で同様の表現がされているものは数多くあり、サイト版の「現代麻雀技術論」でもそのように表現していました。
『勝つための現代麻雀技術論』でその表現を用いなかったのは本来の「ターツ」の定義に反するためですが、1手でメンツが完成するという、ターツと同じ機能を持つ牌の組み合わせをターツと呼べないのは不便でもあります。そのため、「1」に相当する牌組全般を「メンツ候補」と呼ぶようにしましたが、「メンツ候補」という言葉自体は、「0」「2」に相当する牌組に用いられることも多くあります。
5ブロック打法というように、「ブロック」という言葉もよく使われます。「ブロック」と言えば、「0」または「1」に相当する牌組全般として用いられます。以前、メンツ、トイツ、ターツをブロックとして数えるやり方では、アタマが無いケースで打牌選択を間違いやすい(アタマは別に作る必要があるので、メンツとターツの数にもう1ブロック付け足すことになる)ためこの表現をあまり用いていませんでしたが、アガリの手数を「0」「1」「2」で数えるやり方であれば、アタマが無い場合はアタマ候補を「1」とカウントするのでこの問題を解決することができます。ただし、ドラであったり他家の危険牌であったり、「2」であっても何らかの理由で残しつつアガリを目指す場合であれば、「2」をブロックとしてみなす場合もあります。
ルールを解説するだけであれば、従来の分類でも問題ありませんが、戦術記事を書くとなると不便なこともあります。いっそのことこちらでは、「0」「1」「2」のようなグループ分けで統一することも考えましたが、それまでに馴染みの無い分類では、たとえ合理的だとしても違和感が拭えず受け入れづらいという欠点もあります。
麻雀は戦略ゲームでありますが、戦略ゲームにそれほど通じていない人にも広く受け入れられているゲームでもあります。今後は私なりの分類法と、従来から広く用いられていると思われる表記を併用することを考えていますが、当記事は私の気の向くままに更新しているのでまた方針が変わるかもしれません。何とぞご了承下さい。