オンライン麻雀は思考時間に制限があるので、牌を積む麻雀ほど長考で時間を取られるということはありませんが、それでも制限時間を目一杯に使う「牛歩」行為をする他家がいれば対局の円滑な進行を妨げることになります。特に時間一杯まで使ってからアガリ宣言を行う、いわゆる「タメロン」「タメツモ」に苛立つという方も多いのではないでしょうか。このあたりは同卓者と顔を合わせずとも打てるオンライン麻雀ならではの欠点とも言えます。
話は変わりますが、私のオンライン麻雀デビューは、「麻雀格闘倶楽部」(いわゆる初期作品)。時は2003年2月24日。場所はサンシャイン池袋のアドアーズでした。日にちまで正解に覚えているのは、その日が大学二次試験の前日だからです(笑) 何をやっているのかと言われそうですが、前日に勉強しても仕方無いから気分転換のつもりでした。また遊びに戻って来られるように試験を頑張ろうと思ったものでした。
オンライン麻雀黎明期から牛歩行為をするプレイヤーは居ました。というより、「出来うる選択が有れば誰かしらやる」というものでしょう。特に麻雀格闘倶楽部は1局中に1回、「長考ボタン」を押すことで思考時間を引き延ばすことが出来るうえに、満貫以上のアガリは大きな音とともに落雷の演出があります。「長考中」の表示が出て時間を目一杯使ってからツモアガることを「長考ツモ」と呼びますが、これが演出効果もあり多くのプレイヤーを不快にさせ、匿名掲示板で報告されるということがよくありました。
この「長考ツモ」は後の作品で、あるゲームモードの仕様から常態化することになるのですが、そのことは次回お話するとして、私の記憶する限りでは、この長考ツモが初めて匿名掲示板で取り上げられた時の報告者の感想は、「びっくりした」というもの。長考ツモが常態化していた頃に、過去ログを読み返していた時だったため、「不快になった」ではなく、「びっくりした」と書き込まれていたことが特に印象に残ったことでした。
そうです。誰しもが最初からその行為を不快に思うように体ができているわけでは無いはずなのです。長考ツモで不快になったと報告する人が出て、その報告があったからこそ、面白がって模倣する人が増え、不快になる人が更に増えていったというのが実際のところではないでしょうか。
私自身も、麻雀格闘倶楽部をやり始めた時期は、そのような行為があってもさほど気に留めなかっただろうに、知らず知らずのうちに周りに流され、「不快に思って当然のマナ悪行為」と思い込むようになっていたのでありました。たまたま見つけたたった一言ではありますが、麻雀を楽しむ気持ちに関しては、いつでも初心を忘れずにいたいものだと、この記事を書きながら改めて思わされるのでありました。