戦術本『麻雀の2択』のレビューを始めさせていただきました。こちらでは本書で取り上げられている、「データの泉」を元に思うところを徒然なるままに書かせていただきます。データの具体的な数値については、是非とも本書を購入のうえ御確認下さい。
「データの泉」158p
「満貫以上」と聞くと、天鳳のように切り上げ満貫が無い場合も30符4翻や60符3翻が含まれるのかどうかが気になりますが、ここでは含むものとみなすようです。私も便宜上、「子の7700だと逆転できない8000なら逆転できる。」のように明確に区別が必要なケースでない限りは含むものとして記事を執筆することにいたします。
赤有りルールのリーチの満貫以上率を考えると少ない気もしますが、これはアガれなかった局も全て含めたデータ。四人打ちで特定の1人がアガる確率は流局もあるので1/4未満。そのうちの半分は鳴いてアガるケースで、その場合はリーチより満貫以上率が低くなります。よって、配牌の段階で、特定の1人がアガリ、なおかつ満貫以上の確率というのは少なくとも10%を下回るであろうことは予想できます。データを見る際は、何%という数字だけでなく、必ず母集団が何であるかを確認するように注意しましょう。
配牌の段階では特定の人に満貫をアガられることはそうないと言っても、その人からリーチが入ったとなれば大幅に上昇しますし、それもオーラス「逆転の為には満貫以上が必須」となればなおさらです。よって今回のデータを、満貫をアガられて逆転される確率と捉えていると、「やたら逆転される」ように感じてかえって納得がいかなくなってしまうかもしれません。データは正しくても、そのデータに基づく判断は果たして正しかっただろうか、そのことは常に確認を怠らないようにしたいですね。
余談になりますが、私は「オーラスに必ずといってよいほど捲られる、捲られないのは自分がラス目の時」というタイプの長期不調を経験したことがあります。もちろん相当の不運であったことは確かですが、当時の私は順位を意識した打ち回しが特に苦手で、他家にアシストするという概念がほとんどありませんでした。その辺りの意識が出来ていれば、もう少しマシな成績になっていたのではと今更ながら思うのであります。
他に「全く手が入らない」「めくり合いで必ずといってよいほど捲られる」というタイプの不調がありますが、その手の不調も、その打ち手にとって苦手分野である可能性が高いと考えます。もちろんだからといって打ち筋を無理に変えようとすると、却って誤った判断に陥ることになりますが、不調も自分の苦手に気付ける機会と捉えれば、楽しむうえでも勝つうえでも、より充実した麻雀ライフが送れるのではないでしょうか。