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第236回 ネマタの麻雀徒然草

第236回 ネマタの麻雀徒然草

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ネマタの麻雀徒然草とは
  • 『ネマタの麻雀徒然草』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる「麻雀に関する話題を徒然なるままに書き連ねていく」コラムです。
  • 第1回はコチラ

強くはないけれど、時に厄介な存在だったMFCのCPUでしたが、ある時(MFC5あたり)を境に急に弱くなりました。マッチングの仕様が変化して以前ほどCPUと同卓しなくなったとはいえ、CPUのイカサマ疑惑が後を絶えなかったのが弱体化の理由かもしれません。

一つはリーチの頻度が大きく減ったこと。(現在はまた違う仕様だそうですが、)リーチ基準はアガリ牌が1枚でも場に切れていれば(たとえ役無しであっても)ダマ。1枚も切れていない時に限りリーチというものでした。リーチの頻度が減るだけでなく、場に切れている牌では当たらないことまで分かってしまうので圧倒的に勝ちやすくなります。

もう一つは、テンパイした時に、テンパイに取れる打牌の中で最低の選択をするというもの。例えばとあってマンズを切ってテンパイの形であれば、打でも打でもなく、最も待ちが少ない打が選ばれます。

この「最低の待ちを選ぶ」CPUも、それ以降の麻雀アプリで結構見受けられます。雀魂の友人戦でCPUを入れて対局した時にも同じ仕様が見受けられました。

確かにこのCPUであれば、麻雀を覚えたての初心者であっても、まず負け越すことなく快勝できるでしょう。しかし麻雀ですから、打としてをツモってアンカン。リンシャン牌でツモということも有り得ます。そうなった場合に仕様を知らない人は、ますますCPUがイカサマをしているという疑惑を強めるでしょうから、この仕様変更はあまりいいものとは思えません。

昔の将棋雑誌で、最近は将棋ソフトも並のアマチュアでは歯が立たなくなって、これからもどんどん強くなっていくだろうけど、強いソフトよりも、「接待対局」ができるソフトが求められるようになるのではないかという記事を読んだことがあります。

相手の力量に応じて指し手を変え、終盤相手が好手に気付ければギリギリで勝つことができるように局面を作る。人間ならプロでなくても、棋力が十分に離れていればアマチュアでも出来る人は少なくありません。私が幼い頃に初めて参加した将棋大会で負けて悔しがっていた時に、一局指そうと担当のお兄さんに誘われ、後一歩のところで負けた後、「こう指していれば勝っていた」とアドバイスを受けたことを覚えていますが、今思えばまさにそれでした。

不完全情報ゲームの麻雀ではここまで上手く局面を作ることはできませんし、運要素が強いからこそ実力関係無く誰でもハンデ無しで同卓できるというのも麻雀の利点ではありますが、最強の麻雀AIが人間のトップクラスに並びつつある今こそ、「不自然でない接待麻雀」ができる麻雀AIもまた求められているのではないかと思ったことでありました。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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