麻雀ウォッチ編集長のtarooです。
巷で話題のニュースから麻雀に使えるヒントを得ようという試みの連載第4回!
その名も『tarooが斬ル』!
斬るや斬らざるや。こちらが斬られるまで麻雀界をばっさばっさと斬っていきましょう!
今回は、麻雀ファンが熱望している「麻雀プロ団体の統一」について考えていきましょう!
高額の放映権契約金を獲得したJリーグとBリーグ
Jリーグは2016年7月、パフォーム・グループと2017年から10年間、2100億円超の放映権契約を結んだと発表しました。パフォーム・グループが提供するスポーツのライブストリーミングサービス「DAZN(ダ・ゾーン)」内でJ1、J2、J3の全試合が生中継されています。
テレビ中継主体からスマートフォンなどで視聴するインターネット配信へと一気に方向転換することになり、契約金額の大きさもあってこのニュースは大きく報道されました。Jリーグはこの契約金額をクラブの分配金に充てたり、カメラを増設してより臨場感のある番組を作成したり、ハイライト番組などを充実させていくそうです。
▼参考記事
・J超大型契約10年2100億円 英企業競り上げた - 日刊スポーツ
・ダ・ゾーンCEOを直撃。「Jリーグに2100億円、高くないですか」 - スポルティーバ
・Jリーグ、経営危機からの反転攻勢が始まった 「ネット配信」が変革のきっかけだった - 東洋経済オンライン
2016年秋に開幕したプロバスケットリーグ「Bリーグ」は、ソフトバンクと4年間で125億円の大型契約を結びました。ソフトバンクはスマートフォンやパソコンで視聴できる「スポナビライブ」というサービスで1部、2部の全試合を中継します。
元々、男子バスケットボールリーグは「NBL」と「bjリーグ」の2つがあって混乱していたのですが、統一新リーグを2016年秋にスタートしました。20年にも及んだ分裂がついに統合され、一つになったのです!
日本の男子バスケットボールリーグは、国内に「NBL」と「bjリーグ」の2つが存在し、日本バスケットボール協会による組織統治や、代表選手の強化に問題があるといった理由から、国際バスケットボール連盟(FIBA)が'14年に制裁を決定。日本代表は男女ともに国際試合への出場停止という重大な処分を科されていた。リーグ統一に向けて、'15年に日本バスケットボール協会に川淵三郎氏が就任。Jリーグなどで培った手腕を振るい、統一新リーグであるB.LEAGUEの'16年秋開幕に至り、制裁が解除されたという経緯がある。
▼参考記事
・孫社長がバスケに120億円もつぎ込む理由 野球のホ-クスに次ぐ新たな「顔」になるか - 東洋経済オンライン
・今秋開幕のプロバスケ「B.LEAGUE」全試合ライブ配信。ソフトバンクスマホは月額500円 - AV Watch
・ソフトバンク株式会社にどうしてB.LEAGUEのパートナーになったのか聞いてみた
・Bリーグとはどんなバスケリーグなのか。創設の歴史や観客動員数についても紹介。 - ゴトーのブログ
さて、麻雀プロ団体も約40年にも渡って分裂している状態が続いています。昨年AbemaTVで放送された「麻雀プロ団体日本一決定戦」では、コメント欄でもプロ団体の統一について話題になっていましたし、大会スポンサーであるサイバーエージェントの藤田晋社長も番組内でこのように話していました。
そもそも麻雀業界っていうのは立場が弱く、小さい。みんなで力を合わせて、各団体がルールとか大会のレギュレーションなどを決めてやっていかなきゃいけない。団体がいくつもあるというのは中の事情でしかなく、一つにまとまらなきゃいけないんじゃないかなと。色んなリーグ戦があって良いと思いますが、ゴルフのように一つじゃないと、行政やスポンサーからみても、どこの誰と話せば良いかわからない。バラバラに団体が存在しているということは、誰かが得して誰かが損しているということではなく、全員が損している状態となっていると思います。
▼それに対して、津田岳宏弁護士(最高位戦)のコメント。津田弁護士は麻雀プロにして全国麻雀業組合総連合会(全雀連)の顧問弁護士でもある
藤田社長が今言ったこと滅茶苦茶大事なこと。行政や企業等外から見てどこが窓口なのか分からないというのは麻雀業界の大きなウイークポイント。プロ団体もそうだし、麻雀店業界もそう。ひとつにまとまるのが難しいことなのは分かるけど、これが実現しない限り劇的な未来はあり得ない。
— 津田岳宏 (@ttsuda2) 2016年9月25日
注目を集めた「プロ団体日本一決定戦」は日本プロ麻雀連盟が優勝した
藤田社長は、近代麻雀7月1日号のコラム「仕事が麻雀で、麻雀が仕事」においても、ルールやマナー、大会グレードの統一を進められるリーダーの登場を望んでいると書かれています。
麻雀ウォッチがスタートして2年経ちました。各プロ団体・選手にご協力いただいて、大会の結果を取材、報道させていただいております。その立場から申し上げますと、大会が多すぎること、グレードがよくわからないこと、データ(牌譜や総合成績、対戦成績など)が存在しないことが、一般向けの記事を書きにくくしていると感じます。また、事務局など裏方を競技プロが兼任しており、広報や営業など専門職がいないため、告知すべき重要な情報が媒体に回ってこないというのも、以前から指摘されている解決すべき問題であります。
AbemaTVの登場で、麻雀プロが大人気!?
もし麻雀プロ団体が統一し、新たにリーグ戦が開催されることとなったら、その放映権料ってどれくらいになるんでしょうかね?
年間1億円?
はたまた10億円?
その金額を算出するのは難しいですが、AbemaTVでは24時間無料で麻雀番組が放送されたり、一般メディアで麻雀が頻繁に取り上げられるようになったりしてから、麻雀プロという存在がより世間に認知されるようになっているのは間違いないでしょう。
トッププロともなると、有名な芸能人が「〇〇プロのファンです!」と発言したり、誕生日には多くの女性ファンがプレゼントを持って雀荘に来店したり、バレンタインデーにはチョコがダンボール単位で届くそうですよ。
その代表的な存在であるRMUの多井隆晴プロは、1億円プレイヤーが登場して欲しいとインタビューで夢を語っています。
将来の夢は、今以上に麻雀業界が発展することだ。「うちの団体だけが有名になっても仕方がない。どの団体でもいいから、愛されるプロが出てきてほしい。将棋や囲碁みたいに、定期的なツアーができて、いろいろな企業がスポンサーにつく大会なんかができるようになったらうれしいですね。年間のタイトル総なめして、将棋の羽生善治先生みたいに1億円稼げるような人が出てほしい」と語った。
▼参考記事
・麻雀界のトッププロ多井隆晴「羽生善治先生みたいに1億円稼ぐ人が出てきてほしい」|Abema TIMES
先ほど挙げたBリーグでも、チェアマンが2020年までに1億円プレイヤーを出したいと語っています。Bリーグでは最低年俸が設定されており、1部(B1)で300万円、2部(B2)で240万円だそうです。
▼参考記事
・バスケBリーグチェアマン「1億円選手、20年までに」 - 日本経済新聞
・Bリーグ、選手の最低年俸や新人の年俸上限などを発表/バスケ - SANSPO.COM
Bリーグはバスケットボールをより発展させるために大きく前進しました。麻雀もそろそろその時期に差し掛かっているのかもしれません。
プロ団体を統一し、スポンサーから放映権料を獲得し、その収入をプロの報酬に充てる。スタープレイヤーは高額の報酬を獲得し、麻雀ファンはその闘牌に熱狂する。麻雀番組を見て育った子供達は麻雀プロを目指すようになる。そんな流れができれば、麻雀業界、麻雀プロの未来は明るいなぁと思います。
どうしたら麻雀プロ団体は統一できるのか?
と、理想を書きまくったものの、じゃあ1年後に全部統一しよう!というのは難しい話です。
団体の統一を目標としつつ、まずはネット麻雀のように成績が一つのピラミッドとなるような仕組みを導入するのが現実的でしょうか。
次回はその方法を模索してみましょう!