一通vs.混老・平城渾身のリーチ【シンデレラファイト シーズン2 予選Final 観戦記】
書いてから公開されるまで間があるので難しいのだが、WBCが日本中をわかせている。打っては日系人として初出場となるヌートバー選手がリードオフマンとしてチームを牽引し、投げては2年連続投手4冠の山本由伸投手が4番手として登板するほどの層の厚さで、対戦相手国を圧倒している。
ところで、ライブの試合はいいとして、筆者最大の関心事は、ニュースなどでどう取り扱われているか、だ。1回2時間からの試合を、ニュースはものの5分でまとめてある。視聴者の貴重な時間をむやみに奪うことなく、求められていることだけを的確に報じていく。
さてこの予選finalの観戦記、何が求められているのだろう。
というわけで、ここから本題に移る。1半荘で実に40300点分のアガリを決めた木下遥。前回の記事ではわずか12300点分しか書けなかったので、この記事ですべて見ていこうと思う。
まずは東2局1本場の手組みから。
自身の親が流れて北家の木下は、重なったらポンできるとを手に残し、そうでないはリリースしている。・赤・ドラや・赤・ドラの3900を意識した構えだ。
メンツ手とはっきり決別したのは、8巡目の打。ソーズのの部分は、メンツ手として見るならの二度受けになり苦しいが、チートイツとして見るなら2トイツ完成形だ。は安全牌の候補としても有力なのかと思ったが、
10巡目にツモをとらえた木下の選択は即リーチ。2枚切れでいわゆる地獄タンキになるを、他家に対する安全牌としてではなく、自身のアガリ牌として決めた。細かい話になるが、ここで長考しなかったことも後の出アガリ率を高めたと思う。
このが、王牌ではなく山にいたことも、安全牌に窮していた若林がつかんだことも、木下の立場から考えると僥倖だった。裏ドラこそのらなかったが、会心の12000は12300で、以後も気持ちよく打てたのではないかと推察する。
アガりには結びつかなかったものの、東3局で密かにねらっていたメンホンチートイも、視聴者をワクワクさせた。これまたドラドラ内蔵の高打点で、決まれば大きなドラマを生んだはずだ。
海保さよに逆転されて迎えた東4局では、ドラの筋である待ちになると、赤1を従えて堂々のリーチ宣言。
高めのドラをこともなげにツモり、2000/4000でトップ目に立つアガリとなった。
南3局も赤1だが、今回はそれとは別にドラドラでもある。絶好の嵌を引き入れた木下は、打リーチ。待ち牌はの変則三面張で、
なんと4枚目のをツモ。2000/4000で海保を逆転し、トップ目でオーラスに入る。
2着目の海保と4100点差で迎えたオーラスは、親がノーテンなら木下はテンパイを目指す必要すらない。しかし一方で、海保の1000/2000ツモでトップ目を明け渡すことになるという危うさもある。木下は、役牌のを仕掛けて積極的に前に出ると、最後はとのシャンポン待ちをツモって、自らの手でトップ通過を決めた。
牌効率に明るく、真っ直ぐで力強い木下の麻雀が、本戦シード選手たちをおびやかす日は、すぐそこまで来ている。