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堀慎吾、プロ入り最大の動機は「怒り」 Mリーガー列伝(18)

堀慎吾、プロ入り最大の動機は「怒り」 Mリーガー列伝(18)

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 Mリーグ2020ドラフト会議において、2000人以上存在する麻雀プロの中から唯一指名された選手は、日本プロ麻雀協会の最高峰タイトル「雀王」を2019年に獲得した堀慎吾プロだった。

 そんな折り紙付きの実力者である堀プロは「正直、麻雀プロには興味がなかったんですよね」と苦笑する。ではなぜプロ入りしたのか。その最大の動機は「怒り」だった。

漫画「哲也~雀聖と呼ばれた男~」に心躍った中高時代

 小学5年生の時、当時流行していたスーパーファミコンの麻雀ソフトを両親に買ってもらったことで麻雀を知った。「ルールもよくわからないながらも、なんとなく3枚1セットを作っていけばリーチってボタンが出るんだなと思いながら打っていましたね」と幼少期からゲームは得意だった。

 中学、高校時代は漫画「哲也~雀聖と呼ばれた男~」を読み、リアル麻雀に没頭した。「週刊少年マガジンに連載されていて、その漫画を読んでは麻雀牌のある友人の家に集まってやってました。漫画に出てくるような積み込みといったイカサマは出来ないですけどね」

「どこがかっこいいんだ!」

 日々麻雀のことだけを考えていた堀プロは高校卒業後、麻雀プロも在籍していた麻雀店で働き出した。来る日も来る日も追求していたのは「どうやったら勝ち続けられるのか」ということだけで、麻雀プロという存在に対しては、まったく興味が湧かなかったそうだ。

 そんなある日、将来を左右する出来事があった。「同じ店でウエイトレスをしていた女性に恋をしていまして。その女性が、夢を持って一生懸命やっている麻雀プロって格好いいよねと僕に言ったんです」

 その瞬間、当時はアマチュアだった堀プロの心中には怒りが一気に込み上げてきた。「どこが格好いいんだと。僕より弱いじゃないか。じゃあ、僕も麻雀プロになったら、格好いいと思ってもらえるのか。だったらとにかくプロ入りして、この怒りをぶつけてわからせてやろう」と一念発起し、日本プロ麻雀協会を受験した。

 プロテストの面接では、受験動機を聞かれるのが通例だ。「麻雀業界の発展のためになんて言ったんですけど、本音は別でしたね(笑)。不純な動機で入会したんですが、入ってみると楽しくて」とすぐに競技麻雀の虜になった。

色紙には「麻雀は料理」と書いている。「料理は一切やらないんですけど、麻雀と料理はすごく似ているんですよ。たぶん(笑)」©ABEMA

 

うぬぼれを恥じ、屈辱を味わう

 麻雀に関する考え方が変わったのはアマチュア時代、19歳の頃に出会った鈴木たろうプロ(赤坂ドリブンズ)の存在が大きかったという。「たろうさんに出会う前は、うぬぼれていた面があったと思います。こんな強い人がいるんだから、まだまだ自分も強くなれるんだなと思わせてくれたのが、たろうさんだったんです」

 プロ入りしてから5年目、麻雀観が変わるほどの屈辱も味わった。それは2015年に大阪で開催された「WEST ONE CUP(ヴェストワンカップ)」に東京から遠征した時のことだった。

 準決勝まで順調に勝ち上がった堀プロは「卓内2位まで入れば決勝安全圏。仮に3着かラスでも並び次第」という有利な状況から敗退した。「大阪から東京へ帰る新幹線で過ごす2時間半がものすごく長く感じたんです。あんな悔しい気持ちになったのは初めてでした」と、この敗戦を機に一打一打をより大切に、ストイックに打つことを心がけ、2019年に所属団体の最高峰タイトルである雀王を獲得した。

森井巧監督からは「堀慎吾というプロ雀士の才能と魅力を、Mリーグを通じて世の中に発信したい」と雀力だけではなく、シャイなキャラクターのブレイクも期待されている

雀王を獲得してから封印したこと

 雀王獲得以降、“あること”を封印した。「雀王決定戦の時、漫画家のウヒョ助さんから、少なくともアガッた時ぐらいは理牌(※)しろよ!とSNS上でご指摘を頂いたんです。理牌することで、勝つ確率が多少は下がるかもしれないんですけど」とそれまでは、あえて理牌しないことを戦術のひとつとしていたが、すぐに改善した。

※理牌(りーぱい)=手牌を同じ種類や順番に並べること。

「昔は対戦ゲームに燃えていましたが、今は箱庭ゲームに癒しを求めています」と年齢を重ねるごとに嗜好も変わってきたそうだ

息子には将棋をやらせたい

 3人家族の父親でもある堀プロには、溺愛する息子がいる。「息子には将棋をやらせたいなとは思っています(笑)。厳しい世界で切磋琢磨しあって、もしもダメだったらダメで挫折を経験してもらいたいからです。麻雀は覚えるとのめりこんでしまうので。将棋の息抜きみたいな感じだったらいいんですけど」と麻雀の魅力を誰よりも知っているだけに心配顔だ。

 父として、麻雀プロとして、KADOKAWAサクラナイツの即戦力として。Mリーグにどんな歴史を刻むのか。片時も目が離せない。

堀慎吾(ほり・しんご)プロフィール

生年月日:1984年3月23日、牡羊座。
出身地:新潟県
血液型:A型
所属団体:日本プロ麻雀協会
趣味:ゲーム
好きな漫画:HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)、喧嘩稼業
勝負メシ:ハンバーグ、カレーライス、アップルパイ
主な獲得タイトル:第12期最高位戦Classic、第18期雀王
著書:「麻雀 だから君は負けるんです」(竹書房)

堀慎吾 年表
年齢 主な出来事
1984 1歳 新潟県生まれ
1990 6歳 小学校時代は野球部に所属
1997 13歳 中学時代から麻雀に熱中し、高校卒業後は麻雀店で働く
2003 19歳 鈴木たろうプロと出会う
2009 25歳 麻雀プロに対して怒りを覚える
2010 26歳 日本プロ麻雀協会9期生としてプロ入り
2017 33歳 第12期最高位戦Classic 優勝
2019 35歳 第18期雀王を獲得
2020 36歳 KADOKAWAサクラナイツよりドラフト指名

 

◎写真:佐田静香(麻雀ウォッチ) 、インタビュー構成:福山純生(雀聖アワー)

 

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