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ネマタの戦術本レビュー第661回「オリ本 著:しゅかつ  その12」

ネマタの戦術本レビュー第661回「オリ本 著:しゅかつ その12」

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システム22

 鳴き手になると無意識のうちに、「鳴いたからにはアガリ切ろう」と思って押し過ぎになりがちです。システム14で触れられた通り、2件テンパイになると押せる範囲がかなり狭くなるので、脇がテンパイしているかどうかにも注意を払う必要があります。先制テンパイに押してくる他家は高打点の可能性が高いのでなおさらです。


 残りスジが多い段階ではスジ1本の差で押し引き判断が変わることはあまりないので、かなり通った牌が多いということを把握できていれば実用上は十分ですが、リーチが入りそうな段階から意識していればスムーズにカウンティングができるようになると思います。

システム23

 役牌の後付けに関しては、基本的に悪形残りと同等と考えます。今回はポンテンでリャンメン待ちが残るので、(1)は押し、(3)は降り、(2)はどちらかと言えば押しというところでしょうか。ただし、字牌の切られやすさに関しては数牌以上に場の影響を受けるため、一概に役牌後付けといってもアガリ率に結構差がつきます。当然押し引き判断にも影響してくるので注意しておきたいところです。

オリ本 ~天鳳位が語る麻雀・守備の極意~

オリ本 ~天鳳位が語る麻雀・守備の極意~本書は第9代天鳳位であるしゅかつ氏が「オリ」について語った一冊です。とはいえ「相手から攻め込まれた瞬間」にどうやってオリるかを解説したものではありません。その前の段階や後の段階の技術(=大局観)を総合的に説明することで、押し引きを点ではなく線で捉えられるようになっています。それと同時に、「こんなケースでは思考停止でベタオリで良い」といった考えなくて良いケース、というのも説明しています(=システム化)。これらの大局観とシステム化の両輪によって本書はより汎用的なオリの技法を説いたものとなり、これまでの麻雀の守備戦術本とは一線を画す、ハイレベルな内容になっています。本書で現代麻雀の最高レベルの「可能な限り失点を防ぐ技術」を体得してください。

 
しゅかつ
単行本:1,663円
Kindle:1,497円
 
 

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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