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ネマタの戦術本レビュー第748回「現代麻雀の神ワザ 著:鳳南研究所 その27」

ネマタの戦術本レビュー第748回「現代麻雀の神ワザ 著:鳳南研究所 その27」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!
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第2章 分析25

 メンツ手の1シャンテンは、「2メンツ(浮き牌有り)」「2メンツ(浮き牌無し)」「雀頭無し(浮き牌有り)」「雀頭無し(浮き牌無し)」「くっつき」に分けられますが、このうち「くっつき」は、テンパイ打牌とは別の浮き牌がメンツ候補になったケースのうえ、ツモ牌によって何待ちかが変わるので待ちを特定しようがありません。よって、「くっつき1シャンテンの可能性が低い」ことを河から判断することが手牌読みのうえで重要になります。

 手牌に残っているメンツ候補が特定できて、更に入り目まで確定していれば、理論上は相手の待ちを一点で読むことが可能になります。実際は残っているメンツ候補を絞ることは出来ても特定までは至らないことが多く、例外も多々起こりますが、それでもそこまで分かれば通しやすい牌の範囲は大幅に増えるので、より精度の高い押し引き判断ができることは間違いありません。

 牌を積む麻雀では何らかの理由で牌が見えてしまい、メンゼンでも「入り目」が分かる場合があることは何気にこれまでの戦術書では触れられてこなかった内容です。牌を積む麻雀ならではの情報も踏まえたうえで判断がどう変わるかといった戦術が今後取り上げられるようになると面白いですね。

第2章 分析26

 ハイテイ間際の判断は知識以上に、局面に応じて素早く反応することが求められます。手作りや押し引きについては流局が近づくにつれ考えることが減るので、つい楽をしようとして思考を止めがちになりますが、他に考える必要がないからこそ、少しでも自分に得になるように出来ることを探すのに意識を集中させたいところです。

第2章 分析27

 一般的な手作りやリーチ判断は点数状況が平場であることを想定しています。ラス目で残り局数があまり残っていないとしても、1つだけ着順を上げるだけなら満貫ツモで事足りることが多く、それ以上離れていても跳満以上となると難易度が大幅に上がるので、安手でアガっても次局以降の逆転条件が緩和されれば十分とすることが多いです。

 よって、アガるだけなら容易な手牌、局面から強引に大物手を目指すべきことは天鳳ルールでなくても少ないのですが、それなりに手材料が揃っているうえに、このままアガって局を進めてもラス濃厚となれば話は変わります。アガらなくても親が他家から出アガリしたうえに連荘となれば逆転条件が緩和される場合もあるので尚更です。

 197ページや199ページはその一例。ラス前やオーラスの点数状況でどの程度の平均順位が見込めるかについては、

麻雀順位予想計算機(http://critter.sakura.ne.jp/jun_keisan.html)といったシミュレーターで調べることが可能なので活用されることをお勧めします。

 201ページはギャンブル的というより、局収支期待値に忠実なリーチ。本書のコラム「収支戦と心理学」でも取り上げられているように、人間は「期待値」で判断することが案外苦手なものです。判断の為の知識は昨今の麻雀研究によるデータやシミュレートをベースに身に付け、どのような局面で判断を変えるかについて本書のような戦術書を参考にされることをお勧めします。

現代麻雀の神ワザ

本書は日本最大のネット麻雀サイト「天鳳」における鳳南(鳳凰卓の東南戦)で、麻雀強者の牌譜を見続けてきた「鳳南研究所」による書き下ろしの麻雀戦術書です。

「強者の共通点はびっくりするほど少ない」と筆者は言います。

本書では天鳳位を始めとする強者たちの打ち筋の共通点を見出すとともに、それぞれの独自のバランス感覚(他人にはマネできない本人だけの「勝ちの型」)を明らかにすることを目指すものです。

数え切れないほどの牌譜を見てきたからこそ分かる、異彩を放つ一打とその背景にある麻雀理論。

本書で「現代麻雀の神ワザ」を体感していただき、みなさんの「麻雀の型」をさらにレベルアップさせる一助にしてください。

 
鳳南研究所
単行本:1,663円
Kindle Unlimited
 
 

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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