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ネマタの戦術本レビュー第840回「『論理的思考で勝つ麻雀』著:中嶋隼也 編その6」

ネマタの戦術本レビュー第840回「『論理的思考で勝つ麻雀』著:中嶋隼也 編その6」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

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アタマ(1つ目のトイツ)、メンツが「0」、ターツ(ペンチャン、カンチャン、リャンメン)、トイツ(2つ目以降)が「1」。「2」に該当するのが、ターツを直接強化するフォロー牌と、そうでない孤立牌です。

 フォロー牌と孤立牌のどちらを優先するかは手牌、局面に依存しやすい難しい問題なので、ひとまずは孤立牌の役割を認識し、そのうえでどの孤立牌を残した方がよいかを判断できるようになりましょう。

 

 孤立牌の選択も部分的に見るのではなく、全体のブロックを踏まえたうえで比較します。ブロックが足りてないうちは基本的にどんな孤立牌もメンツを作るうえで有効な受けがありますが、5ブロックが足りていれば、手牌の中で最も価値が低いブロックよりも強いブロックができないのであれば(2手続けて有効牌を引いてメンツが出来ることもあるので厳密には全く不要ではないですが)、孤立牌を即座に切って安牌を抱えた方がよいでしょう。

 

 メンツを作るうえで価値が低い数牌の孤立牌となると、が挙げられます。このを残すことで最も嬉しい牌はとなれば、を引くとのノベタン。アタマがある場合でも通常の浮き牌3よりやや強く、アガリに遠い段階ではペンチャンより優先することも多いので、なら通常の浮き牌1よりやや強いと言えます。よってメンツの作りやすさを優先するなら、からでも客風のを切った方がよいことになります。

 

 とはいえ、を切ったところで先にを引いた時にようやく微妙に有利になるくらいで、西を残して西が重なるようなら、将来降りやすい手組になるので後から手を狭めてまで安牌を持つ必要性が薄くなります。安牌を持たずに手を進められるならそれだけアガリやすいとも言えるので、基本はやはりから切った方がよいでしょう。

 

 しかしこれがになれば、をツモった場合も、ツモで一通のターツが揃う価値ある浮き牌になります。これなら客風はもちろん、役がつかない19牌よりも優先して残した方がよいのではないでしょうか。

 

 字牌が比較的安牌であることを認識するより、孤立数牌の役割を認識することの方が難しいので、慣れていないうちはひとまず字牌から切る、安牌はあまり意識せずアガリを目指す手組を中心に考えるようにすると実力が付きやすいと思います。しかし、アガリを目指す以上大抵は途中で5ブロック以上になり、巡目が経つほど変化狙いの浮き牌より安牌の価値が高くなるので、安牌を残した方がよいケース自体は多いものです。本書に書かれてあるように、孤立牌の役割を踏まえたうえで、一打一打丁寧に比較するように心掛けましょう。

 

論理的思考で勝つ麻雀

「選択と抽選のゲーム」と言われる麻雀。
プレイヤーの実力が反映される「選択」の精度を高めることは何よりも大切です。
本書ではそのために必要な考え方、戦術を論理的に解説します。

著者は麻雀の思考の言語化の達人、中嶋隼也プロ。ロジカルで分かりやすい解説が遺憾なく発揮されています。

点数状況・巡目・他家の挙動など、状況が刻一刻と変わるゲームである麻雀において、得な選択肢を選び続けるための論理的思考力を本書で身に付けましょう!

著:中嶋隼也(@owadasenmu
単行本:1,404円
 

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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