- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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テーマ76
例題Aはソーズのを抜くとが残るので、をヘッドとして残すとツモでもテンパイします。よって雀頭の3ヘッドと見なせるとはいえ、単純にリャンメン固定が正着と断言しづらい手ではあります。
とはいえ、打ツモはテンパイ逃しとはいえ打として手広い1シャンテン。先にツモでも、の残り3枚のシャンポンよりはカンに受けられる方がよいことを踏まえると、やはり打に分がありそうです。
迷ったらリャンメン固定は確かに一理あるのですが、80点止まりになることも多いというのも事実。リャンメン固定が候補に上がる時は別の選択、浮き牌切り、ターツ落とし、ヘッド固定側に100点の打牌があることも多いということも意識しておきましょう。
例題Bのようにメンゼン1シャンテンなら、鳴いて高打点テンパイでも基本はメンゼンでテンパイした場合の手牌の価値で判断します。鳴いてテンパイよりメンゼンでリーチした方が高打点になりやすく、他家は自分にとって不要な牌から切っていくので、任意の牌をツモる可能性に比べれば、特定他家から切られる可能性はどうしても低くなるためです。
鳴けることはメリットではあるのですが、鳴けるということは手役があるということで、メンゼン限定でも手役は打点が高くなるというメリットがあります。よってメンゼン手の何切るで鳴けることを持ち出すと二重にメリットをカウントして過大評価になる恐れがあります。手役と聞くとどうしても牌の組み合わせで作るものをイメージしますが、リーチやメンゼンツモも立派な手役なのです。
テーマ77
例題Aはヘッドのくっつき1シャンテンに取れるので、はツモに加え、他でヘッドが出来た場合もリャンメンが残る浮き牌相当。通常浮き牌のに加えヘッドが出来た時のリャンメン受けがあるので、亜リャンメンよりはっきり強い浮き牌です。通常の浮き牌が無いくっつき1シャンテンを「迷うケース」とするなら、亜リャンメン切りはほとんどのケースで正着になります。
逆に、端寄りの亜リャンメンでも通常浮き牌よりは残した方がよいケースは少なからずあるので、「迷ったら」の例外として押さえておきましょう。
テーマ78
「とりあえず内寄せ」とありますが、これはタンヤオがつくのであれば浮き牌であっても、タンヤオがつかないブロックより優先して残すと考えれば分かりやすいです。タンヤオがつかない場合はむしろ外側の牌を残した方がよいケースで技術の差がつきやすいです。
例題A、Bのシュンツの位置をずらしてタンヤオをつかない形にすれば、例題Aは3トイツとはいえ全てフォロー牌付き。1シャンテン時に手広くなるよう雀頭固定の打が有力でしょうか。例題Bは多面チャン変化だけでも結構強いので残しはありですが、それでもツモならアガリやすいカンチャンが残るように打5mとするところ。このようにタンヤオの有無はそれだけで打牌選択が変わることが多い重要な要素と言えます。
テーマ79
計算問題と同様、何切る問題も答えだけでなく解き方が身に付いてなければ意味がありません。何切る問題を自分で作れば答えは自分で考える必要があるので、自然と解き方が身につくようになります。
切りたい牌をドラにするだけで何切る問題が出来るとも言いますが、何切る問題と聞くとどうしてもドラ切りは選びづらい一方、実戦ではむしろドラでも切り飛ばしていくべき局面が多いもの。よって個人的には例題Aのようなケースより、「それなりに使えそうだけど、ドラ切りが正着」になるような問題を考えてみることをお勧めします。案外例題も少ないので、既存の何切るを解くよりも実戦で役に立たせることができると思います。
ウザク式麻雀学習 牌効率
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2 例題をまとめてインデックス的に再掲することで、繰り返し解くことができる!
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