- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第6章
Q1
「裏スジは(他の無スジと比べて)危険ではない」ことを示したのが『科学する麻雀』ですが、本書の結果からも分かるように、一昔前の読みのセオリーは全くの誤りというよりは、「部分的には成り立つケースを、一般論として拡張し過ぎた為に成り立たなくなった」というのが実際のところです。
言葉というのは区別するために用いられますが、同じ言葉がついているからといって、性質まで同じであるとは限りません。言葉にとらわれるが故のミスを防ぐためにも、放銃率◯%というように、なるべく定量化された形で知識を押さえておくようにしましょう。
Q2
天鳳(人和は不採用)でうっかり自動アガリにしていたのでアガってしまい、後から牌山を確認したら見逃していたら地和だったという例を見たことがあります。また、某プロ雀士が雀荘のゲスト卓で、人和は採用されているけど満貫止まりだと思い込んでいて、見逃して地和チャンスに賭けるも不発。後からその雀荘では人和が役満だと聞かされたという話も聞いたことがあります。 「まあこんなこと起きない」と断言できるレベルの低確率の事象であっても、事象自体はそれこそ無数に存在するのですから、油断していると明日は我が身かもしれませんね。
Q3
局収支が表記されていないのが気になります。リーチした場合一発出アガリの跳満、裏3の倍満もケースも僅かながらあることも踏まえると、局収支上はそれほど差がつかないように思われます。少なくとも、もう1翻あってリーチ出アガリが跳満以上確定になる場合や、役満祝儀があるルールであれば即リーチに分がありそうです。
某プロ雀士がリーグ戦でツモり四暗刻をテンパイ、ドラがアンコでタンヤオもありダマ出アガリでも倍満。これなら流石にダマだろうとダマに構えたら、他家に自由に打たれてアガリ逃してしまい、リーチを打たなかったことを後悔したという記述を見たことがあります。本当にリーチした方がよかったのかどうかは何とも言えませんが、ここまでのチャンス手であれば、単に形や点数状況だけで決めるのではなく、山にどの程度生きているか、あるいは他家の挙動も踏まえたうえで、少しでも有利な選択がとれるよう力を尽くしたいところです。
知るだけで強くなる麻雀の2択
(担当編集より)この本では、麻雀を打っていて迷いがでやすい2択の場面を扱ってます。
なぜこの本を作ろうと考えたか、それを最初に説明させてください。実は私は、雑誌近代麻雀で多くの麻雀プロにコラムを書いていただいているのですが、その中でとても勉強熱心なプロが『ション牌の字牌とワンチャンスだったらどっちが当たりにくいのか、スジと1枚切れの字牌だったら? というデータをきちんと知りたい』と書いていたのです。
いざ本を作り出すと、梶本氏による過去になかった2択やみーにん氏による新しいデータをたくさん入れることができました。ぜひとも麻雀の基本をマスターし、かつそれを応用してデータと違う選択もできるようになっていただければと思います。