- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第二章
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基本的な押し引き基準は残り局数が十分あって点棒の動きが少ない、いわゆる「平場」を想定しているので、オーラス、ラス前となると判断が変わるケースも増えます。結果に非常に大きな影響を与えるので、オーラス、ラス前の押し引き基準は簡易的でよいので押さえておきましょう。考え方としては、「振っても振らずにアガられても着順が変わらなければ押し」「アガってもアガられても着順が変わらなければ引き」「どちらでも無い場合は、アガリやすさと順位点を踏まえてルールに応じて判断」というところです。
110ページのケースは、振っても振らずにアガられても着順が変わらないケースなので押し。仮に南家と北家の点数が逆でトップ目であっても押すところ。持ち点が多いほど引き寄りになるというのは確かですが、今回のように持ち点が多くても僅差の他家からのリーチは押すことが多くなります。
111ページのケースはアガればトップ維持、アガられると逆転されるケースですが、逆転されたとしても2着、振り込みは3着、ラスもあります。2件リーチともなれば、よほど強い待ちでテンパイしているのでもなければ降りることが多そうです。
今回はどちらも順位点を計算せずとも判断しやすいケースでした。このあたりの判断は確実にできるようになりましょう。そのうえで難しいケースに関しては、『統計学のマージャン戦術』のデータを基に押した場合のアガリ率、放銃率、降りた場合のツモられ率を見積もり、個別の局面に応じて実際に計算して比較してみることをお勧めします。
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現在麻雀界はMリーグの開幕で活況を呈しています。トッププレイヤーによる真剣勝負をリアルタイムで観戦できるのは麻雀ファンとしても興味の尽きないところです。 そんなMリーグに最年少で参加しているのが日本プロ麻雀協会所属の松本吉弘プロ。第9回 TwinCup優勝、第25期 發王戦優勝などの勢いを買われ、サイバーエージェントがオーナーを務める「渋谷ABEMAS」に大抜擢されました。 元高校球児で強面。その容貌から「卓上のヒットマン」の愛称でファンに知られている松本プロですが、麻雀の腕も一級品。 その場の状況に応じて様々なスタイルを使い分ける「ベストバランス麻雀」を身上としてMリーグでも活躍しています。 本書は手順、読み、大局観、ゲーム回し、押し引きといった麻雀で勝つための重要事項をテーマに、松本プロが自身の戦術を初披露した、ファン注目の一冊です。