- 『ネマタの第八期天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第九期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
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第二節二回戦B卓
東1局0本場
マンズをリャンメンに固定してピンズの良形変化を残す打がオーソドックスですが、ツモでテンパイを逃すのに加えて、ピンズが伸びた場合はタンヤオと三色が消えます。打としてもツモで良形確定し。そこからピンズが3メンチャンになる変化も残せるので比較が難しいです。
ただし先にを引いた場合に、待ちの警戒されやすさで結構差がつきそうですし、後手を引いた場合に端寄りのを残していた方が押し返しやすいというメリットもあります。実戦的には、「手組のうえで打牌選択に迷ったら456牌先切り」が有力かもしれませんね。
目先の平和受けよりピンズの良形変化をみる打が正着とされることが多いですが、が残り1枚となると微妙なところでしょうか。
三色が崩れるツモ。ツモ切りしているをもう1枚切ってリーチとなれば、からの切りでカンが本命。とはいえカンがかえってアガリやすいとも言いきれません。シンプルな手牌でも場況込みの判断となれば難しいものです。
東3局1本場
が現物なのでを切るべきでしたが、が現物でない場合もより切りがよいかもしれません。一見チートイツに見えない河で待ち頃の単騎でチートイツテンパイはこれまでの天鳳名人戦でも何度となく見られましたが、はリーチ時点でアガリやすい待ちではなく、当たるとすればリーチ前のを残さず悪形を残したことになります。が手役絡みのケースも考えにくく、通れば次巡もを通せます。
南1局0本場
ツモや下家への絞りを意識するにしてもくっつきを残してを切りそうなものですが、実際にホンイツでテンパイした場合の出アガリやすさで差がつきます。
ホンイツでない役牌手なら字牌より先にと落とす手順は考えにくいですが、これならホンイツだとしてもピンズではなくソーズに見えます。対門も三色ドラ3テンパイで河を作らなくてもは出ていた公算が高く正着を判断することは難しいですが、「迷彩というのはリスクを負っているほど効果が大きいもの」。という小林プロの言葉が思い出されました。
南2局0本場
打ならマンズ変化も残りなら三色。ただし将来で対門のドラポンや他家のリーチに放銃するリスク、河が弱くなって待ちが絞られやすくなるデメリットもあります。私は何も考えず打としそうですがこのあたりの判断も難しいものです。
北家は役有りならダマにする局面で、ダマテンが入っているとすればを切っているのにを引っ張っていることから本線。テンパイに遠ければ東家の仕掛けにを止めそうなものなのでテンパイ率も案外高く、そうなると現物の切りでテンパイに取る手はなかったかとなります。後知恵バイアスかもしれませんが、結果を見てからこそ気付ける有力な選択肢も少なからずあるように思います。