「麻雀攻めダルマ」の異名を持つプロ雀士、佐々木寿人
攻撃に重きを置いたプレースタイルで数多くの対局において記録にも記憶にも残る闘牌を繰り広げてきた
そんな寿人の攻撃力はMリーグの舞台でも遺憾なく発揮されている
直近では日本プロ麻雀連盟のG1タイトルの1つでもある鳳凰位を獲得
更に円熟味を増した寿人の攻撃型麻雀をデータ面から紐解いていく
代名詞はリーチ
寿人の麻雀の代名詞と言えばリーチだろう
そのリーチ攻勢から「寡黙なリーチファイター」という異名も持っている
果たしてMリーグにおいて寿人はどの程度リーチをかけているのだろうか
その数字は驚きのものだった
1位 |
佐々木寿人 |
322回 |
2位 |
256回 |
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3位 |
214回 |
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リーグ平均 |
161.6回 |
1位 |
佐々木寿人 |
3.62回 |
2位 |
3.16回 |
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3位 |
3.15回 |
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リーグ平均 |
2.61回 |
1位 |
佐々木寿人 |
29.11% |
2位 |
高宮まり |
25.76% |
3位 |
瑞原明奈 |
24.57% |
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リーグ平均 |
21.40% |
どれも2位に大差をつけた圧倒的な数字である
出場試合数が多いため寿人のリーチ回数が多くなるのも当然かもしれない
しかし、1試合平均のリーチ回数で見ても3.62回とリーグ平均の2.61回を大きく上回る数字となっている
これは他の選手よりも1試合あたり1回多くリーチをかけていることになる
1試合のみで考えれば珍しいことではないが、それが毎試合続く計算である
寿人のリーチ回数がいかに突出しているかがうかがえる
数多くのリーチの中には印象に残っているリーチも多いのではないだろうか
振り返ればきりがないのでここ数試合の中で印象的だったリーチを挙げる
オーラスの親番でツモれば倍満のリーチ
常に一瞬のためらいもなくリーチに踏み切る寿人、上記のリーチでもその姿は揺るがなかった
残念ながらアガリには結びつかなかったが、このリーチもまた多くのファンを魅了したことだろう
多くのリーチをかけてきた寿人だが、その分リーチ成功率はそれほど高いわけではない
■リーチ成功率 45.03%(22位 リーグ平均47.91%)
少し意外かもしれないが寿人のリーチ成功率はリーグ平均以下なのである
リーチが実らないことも多々ある、それでも寿人はリーチをかけ続け多くのアガリをものにしている
それは寿人のアガリ時の割合が物語っている
アガリ時 |
佐々木寿人 |
リーグ平均 |
リーチ |
61.97% |
52.04% |
ダマ |
8.55% |
16.73% |
フーロ |
29.49% |
31.23% |
寿人のアガリの大半はリーチによるものであることがわかる
他の選手がダマにするような場面でも寿人は自身のスタイルを信じ、リーチに踏み切っているのであろう
攻撃型麻雀の守備面
寿人の絶対的な攻撃力の核となる部分は「リーチ」であると言えるだろう
リーチを武器に戦う寿人だが、次に気になるのが守備面である
たくさんアガるがたくさん放銃するというのが世間の寿人へのイメージだろう
果たしてMリーグの舞台ではどうなのだろうか
■放銃率 11.03%(16位 リーグ平均10.77%)
まずリーグ平均が10.77%というのが驚きである
ネット麻雀などで自身の放銃率をご存じの方ならお分かりいただけるだろう
放銃率10%~11%といのは世間一般で言う「守備型」の人のそれである
その数字が平均値というのだからMリーグの守備意識・レベルの高さがうかがえる
寿人の放銃率11.03%はMリーグでは30人中16位と平均に近い数字である
だがこれは「たくさん放銃する人」の数字では間違いなくない
たくさんアガってたくさん放銃するというイメージはもはや寿人には似つかないものなのかもしれない
攻撃面でも守備面でも我々の想像を超えていく佐々木寿人
Mリーグの舞台に降り立った魔王はさらなる進化をし続けているのである
※データはすべて2021年2月10日時点。レギュラーシーズンのデータ