Mリーグ発足し3年目の今シーズン。
唯一2年連続でファイナルに進出し、今シーズンも首位をひた走るチームが『渋谷ABEMAS』である。
エースの多井隆晴を始め、白鳥翔、松本吉弘、日向藍子と年代はバラバラながら、全員が多方面で活躍する個性豊かなタレント集団。
ABEMASは2018年、2019年と2年連続でファイナルに進出するも、どちらも3位という結果に終わっている。
しかし、その戦いぶりは非常に安定したものでレギュラーシーズンの総合スコアは他の追随を一切許さない。
1位 |
ABEMAS |
1056.1 |
2位 |
サクラナイツ |
252.1 |
3位 |
フェニックス |
112.6 |
4位 |
麻雀格闘倶楽部 |
65.1 |
5位 |
風林火山 |
▲21.1 |
6位 |
ドリブンズ |
▲389.9 |
7位 |
雷電 |
▲417.2 |
8位 |
Pirates |
▲677.7 |
2位サクラナイツの約4倍近い数字を叩き出している。
果たしてこの強さの要因は何なのか。
2つの観点から紐解いていく。
攻撃と守備のバランスが良い
ABEMASは攻撃と守備のバランスがかなり良いチームである。
それを裏付けるデータがこちら。
順位 |
アガリ率 |
放銃率 |
1位 |
麻雀格闘倶楽部(20.89%) |
風林火山(9.72%) |
2位 |
ABEMAS(20.79%) |
Pirates(9.74%) |
3位 |
Pirates(20.20%) |
ABEMAS(10.17%) |
4位 |
ドリブンズ(19.69%) |
フェニックス(10.25%) |
5位 |
雷電(19.42%) |
雷電(11.11%) |
6位 |
風林火山(19.36%) |
サクラナイツ(11.38%) |
7位 |
サクラナイツ(19.30%) |
ドリブンズ(11.41%) |
8位 |
フェニックス(17.72%) |
麻雀格闘倶楽部(12.34%) |
ABEMASはアガリ率リーグ2位、放銃率リーグ3位とどちらも高い数字を示している。
また、上記を用いて近頃重視されているデータが『アガリ率 - 放銃率』の数値である。
順位 |
チーム |
アガリ率 – 放銃率 |
1位 |
ABEMAS |
10.62% |
2位 |
Pirates |
10.45% |
3位 |
風林火山 |
9.65% |
4位 |
麻雀格闘倶楽部 |
8.54% |
5位 |
雷電 |
8.31% |
6位 |
ドリブンズ |
8.28% |
7位 |
サクラナイツ |
7.91% |
8位 |
フェニックス |
7.41% |
アガリ率を高め、放銃率を抑えることが麻雀というゲームで勝利する理想の形と言える。
その理想を数値化したものが上記のランキングである。
このランキングにおいて1位であることがABEMASの強さの一因となっているだろう。
多井隆晴という絶対的エースの存在
Mリーグ初代MVPである多井隆晴。
その成績はまさにエースと呼ぶにふさわしい。
前出のアガリ率と放銃率のランキングを選手別に見た表が以下である。
順位 |
アガリ率 |
放銃率 |
1位 |
小林剛(24.45%) |
多井隆晴(8.40%) |
2位 |
多井隆晴(24.18%) |
小林剛(8.99%) |
3位 |
前原雄大(22.94%) |
朝倉康心(9.41%) |
リーグ平均 |
19.68% |
10.74% |
順位 |
選手名 |
アガリ率 – 放銃率 |
1位 |
多井隆晴 |
15.78% |
2位 |
小林剛 |
15.46% |
3位 |
10.13% |
|
|
リーグ平均 |
8.94% |
多井と小林で1位・2位を分け合っており、2人の傑出具合がうかがえる。
トッププレイヤーが集うMリーグの舞台で驚異的な数字を残している。
そんな多井がこれまでに獲得したスコアのデータがこちら。
順位 |
通算スコア |
1試合平均スコア |
1位 |
多井隆晴(877.2pt) |
多井隆晴(12.35pt) |
2位 |
佐々木寿人(590.5pt) |
堀慎吾(7.40pt) |
3位 |
黒沢咲(451.8pt) |
佐々木寿人(6.63pt) |
こちらも圧倒的な数字である。
これだけの成績を残すエースの存在はチームメイトにとってどれだけ心強いだろうか。
多井の存在はスコア面だけではなく、チームメイトの精神面をも支えている。
ここまでレギュラーシーズンで安定した成績を残してきたABEMASだが
(1)攻撃と守備のバランス
(2)多井隆晴という絶対的エースの存在
この2点が好成績に大きく影響していると言えるだろう。
※データはすべて2021年2月3日時点。レギュラーシーズンのデータ。