第41回で紹介したように、ホンイツは重要な役の一つです。
ホンイツのパワーを、データで見てみましょう。
Mリーグの2018シーズンから2021シーズンまでの3年間(レギュラーシーズンからファイナルシーズンまで)のすべての対局で、検証してみます。
3年間で戦われたのは、596半荘7234局。
このうち、ホンイツで決着したのは257局でした。
(ちなみにチンイツで決着したのは33局でした)
ホンイツの特徴は、打点が高いことです。257局のハン数の分布は、以下のとおりです。
2ハン 13回 5.1%
3ハン 64回 25.0%
4ハン 82回 32.0%
5ハン 51回 19.9%
6ハン 30回 11.7%
7ハン 9回 3.5%
8ハン 6回 2.3%
9ハン 1回 0.5%
平均値 4.3ハン
ほとんどのケースで3ハン以上となり、全体の7割で満貫を超えます。6ハン以上の跳満以上も17.9%と、ほぼ6回に1回を占めています。
ホンイツは鳴いても2ハンあり、かつ役牌とも絡みやすいので、ドラもあるとほぼ満貫以上になります。破壊力があるため攻撃手段として魅力ですが、守備面では、安易にホンイツに振り込まないことが重要です。
リーチももちろん怖いですが、放銃してもリーチのみ、あるいはリーチ+1ハンで済むこともあります。対して、ホンイツはだいたい満貫以上なので、ある意味ではリーチ以上に怖い存在ともいえます。
ただ救いなのは、ホンイツは、切る牌に特徴があってわかりやすいことですね。
最近のMリーグセミファイナリシリーズの対局から、ホンイツをテンパイした際の河を見てみましょう。
●2022年4月8日 第2戦東1局5本場 南家 佐々木寿人プロ
配牌
テンパイ時の形 ポン
テンパイ時の河
●2022年4月5日 第2戦南4局 西家 二階堂亜樹プロ
配牌
テンパイ時の形
テンパイ時の河 リーチ
●2022年4月1日 第1試合東2局 北家 朝倉康心プロ
配牌
テンパイ時の形 チー ポン
テンパイ時の河
このように、ホンイツは、染めたい色以外の牌が序盤に切られるので、目立ることが多い。中張牌が次々に切られることもあります。
続いて字牌が切られることが多く、さらに染めたい色の牌が一つ出てきたら、テンパイ注意報です。
牌が余って出てくるのは、既に手の中が一つの色に染まっていることを意味するからですね。
また、上記の朝倉プロの手のように、余っていなくても、2回鳴いているときはテンパイを警戒すべきでしょう。
特に、ドラの色のホンイツは、跳満以上のことも多いので、自分の状態がよほど良くないかぎり、ベタオリを検討することになります。
序盤の河で、他家のホンイツ気配を感じた場合、自分が持っているその色の牌を先に切っていく対応も有効です。
ホンイツを狙っている他家がその色を多く持っているため、自分がツモる確率が低いですし、中途半端に持っていると将来の危険牌にもなりうるためです。
(ただ、ホンイツ者が下家にいるときは、チーされやすいので、鳴かれたくない場合は絞ることもあります)
半荘のとこかでホンイツが一度決まると、勝敗に大きく影響しますので、ホンイツを目指している他家がいないかは、常にアンテナ張ることをおすすめします。
とはいえ、初心者のころは、何度もホンイツに振り込んで痛い思いをすると思います。放銃した際に、その人の切った牌やアガリ形を確認する癖をつけると、何となく「こういう時は危ないんだな」と身体でわかってくると思います。
次回は、同様に河に特徴が出るチートイツへの対応をご紹介します。