麻雀で「ダマテンにやられた」「あの場面はダマテンにすべきだった」などという会話を聞いたことがある方は多いだろう。しかし、「ダマテン」という言葉が具体的にどんな状況を指すのかわからない、という方もいるのではないだろうか。そこで今回は、ダマテンのメリット・デメリットや相手のダマテンへの対処法もあわせて紹介していく。この記事を読んで「ダマテン」について理解を深め、実際の対局の中で役立てていただきたい。
麻雀における「ダマテン」とは?
まずは「ダマテン」の意味についてあらためて解説しよう。
リーチをしないのが「ダマテン」
「ダマテン」とは一般的に、鳴いていない状態(メンゼン)でテンパイしているがリーチはかけてない状態のことを指す。「ダマテン」は漢字で書くと「黙聴」、「黙ったまま聴牌(テンパイ)」と考えれば覚えやすいだろう。ちなみに、ダマテンを縮めて「ダマ」ということもあるので覚えておこう。ダマテンは戦術上、有効な場面もあるものの、さまざまな恩恵を受けられるリーチをするメリットのほうが大きい場合が多い。特に初心者にとってはダマテンを有効活用できる場面の判断が難しいため、基本的にはテンパイしたらすぐにリーチをかけたほうが良いだろう。
「ヤミテン」との違いは?
ダマテンと類似した言葉としては、「ヤミテン」(闇聴)が挙げられる。こちらもテンパイだがリーチをかけないという意味であり、「ダマテン」と「ヤミテン」は同じ意味を持つ言葉である。ダマテンを「ダマ」と呼ぶことがあるように、ヤミテンも「ヤミ」と略すことがあることを覚えておくとよいだろう。
「ダマテン」をするメリットは?
麻雀でダマテンをするメリットには、以下のようなものが挙げられる。
リーチと比べて出アガりしやすい
ダマテンのメリットとしてまず挙げられるのが、リーチをした時に比べて出アガりしやすいことだ。リーチを宣言すれば相手から警戒されるので、ライバルが完全にオリに回ってしまうこともあるだろう。しかし、リーチをしないダマテンを選択すればそのような警戒は薄れ、相手からアガリ牌が捨てられやすくなる。出アガりの確率を高めたいのなら、ダマテンは効果的な戦術だ。
手牌の変化に対応できる
手牌の変化に対応できるのもダマテンのメリットだ。たとえば「一二三②③④234六六88」でテンパイした場合、リーチしても「リーチのみ」にしかならない。しかし、ダマテンにしておけば、「四」を引いた時に234の三色同順への手替わりを期待できる。もし「四」を引いて「二三四②③④234六六88」になれば、タンヤオと三色も付いて高得点の大チャンスだ。高い手への変化が期待できる時にも、ダマテンが効果的な選択となるだろう。
失点を減らせる
無駄な失点を防げるのもダマテンのメリットとなる。まず、リーチ棒を出さずにすむため、1000点を支払う必要がない。さらに、リーチ後は当たり牌以外をすべてツモ切りしなければならず、たとえ危険牌を引いてもツモ切りは必須というリスクを伴う。これをダマテンにしておけば危険牌を切りたくない時にオリる選択もできるので、リスクを回避するためにもダマテンが有効なのだ。
「ダマテン」をするデメリットは?
ここまでダマテンのメリットをご紹介したが、もちろんデメリットも存在する。ここでは、ダマテンのデメリットをご紹介しよう。
リーチの恩恵を受けられない
ダマテンのデメリットとして最初に挙げられるのが、数々あるリーチの恩恵を受けられないことだろう。まず、リーチによる得点上昇が得られないため、点数が半減することもある。たとえば、4翻で満貫の8000点が、リーチなしの3翻だと3900点になってしまう。さらに、「一発」「裏ドラ」といった役はリーチをしないと発生しない役であり、これらのさらなる得点上昇のチャンスも逃してしまう。これらの恩恵を受ける権利を失うのがダマテンのデメリットだ。
相手に警戒してもらえない
相手にプレッシャーを与えられなくなる点もダマテンのデメリットだ。リーチをかけるとライバルは放銃を避けるため、安易に危険な牌を切れなくなるものだ。しかし、ダマテンではこのようなライバルに対する足止めの効果が薄らいでしまう。警戒されないことがメリットになることもあるが、それがデメリットにもつながることを覚えておこう。
リーチした時よりミスが出やすい
リーチした時よりミスが出やすいのもダマテンのデメリットだ。初心者には「テンパイしたらリーチする」戦術を推奨したい。たとえば、いつでもオリに回れるようにダマテンを選択した場合、その後にどこでオリに回るかという判断をする必要がある。どこまで攻めるか、どこでオリるか、といった判断はプロでも難しいものだ。仮にリーチをした場合は、このような難しい判断をする必要がなくなる。判断を誤りやすいのも、ダマテンのデメリットの一つといえるだろう。
相手の「ダマテン」への対処法は?
ここまでは、自分がダマテンを使う際のメリットなどを紹介してきた。では、相手のダマテンをどのように警戒すれば良いだろうか。
ダマテンは警戒し過ぎない
まず前提として、相手のダマテンを警戒し過ぎないほうが良い。麻雀においては相手もダマテンよりリーチを選択するケースが多いため、過度に警戒することは自分のアガリを逃すことにつながるのだ。ダマテンを警戒することよりも、自分の手を進めることを優先しよう。
余剰牌が切られたら注意
明らかに余剰牌が切られたと判別できるケースはダマテンを警戒したい。特に相手が国士無双を狙っていそう、といったケースはわかりやすいだろう。国士無双は1と9と字牌を集める役なので、2から8の数牌を先に切っていくのが自然だ。それらが続いた後に字牌などが次々に切り出された場合などは、ダマテンを警戒したほうがいい場面もあるだろう。また、ホンイツやチンイツでも、集めていそうな種類の牌が余っていると判断すればダマテンを警戒をすべきだ。
リーチ者がいるのに危険牌を打っていたら注意
リーチ者がいるにもかかわらず急に危険牌を打っている人がいれば、ダマテンを警戒すべきだろう。通常、誰かがリーチをしたら安全牌を切って振り込まないように対処するものだ。にもかかわらず危険牌を打っているということは、テンパイもしくはチャンス手である可能性が高い。鳴いてもいないのにリーチ者に危険牌を打ってきたら、ダマテンしているとみるべきだ。
ダマテンを上手に利用してライバルと差を付けよう
本記事では、麻雀におけるダマテンの意味やメリット・デメリット、相手のダマテンへの対処法を紹介してきた。麻雀でリーチをしないで黙ったままメンゼンでテンパイするのがダマテンだ。ライバルに警戒をさせずに出アガりを狙える点は、非常に強力な点といえるだろう。しかし、リーチをかけることで受けられる恩恵を放棄するなど、デメリットが多いのも事実。随所でダマテンを上手に利用できれば、麻雀のさらなるレベルアップにつながるだろう。