※タイムシフトは8月18日23:59まで
日刊スポーツ杯スリアロチャンピオンシップとは
協会、最高位戦、RMU、麻将連合所属プロが参加するワンデー競技大会。
1年で8回開催され各回の優勝者同士でグランドチャンピオン大会が開かれる。
簡単なルールとしては一発裏ドラあり、オカあり、5P-15Pのウマがある。
トータルスコア上位4名がスコア持越しで決勝戦を1回打ち、優勝者を決める。
今回は8月度決勝卓についてレポートする。
<対局者紹介>
近藤誠一(最高位戦):37, 40期最高位。絶対王者として決勝卓に君臨する。
宮原諒(RMU):入会間もないが、競技の他に、大学生に麻雀を広める活動をしている。
小林宏康(麻将連合):広島県よりスリアロに登場。緊張はするものの見られるのは得意とのこと。
武中真(協会):人狼で有名なこの方。過去に「日本オープン」も制している。
<観戦記>
近藤を追う三者であるが、現実は非常に厳しい。追撃一番手の宮原でも近藤とトップラスで73000点差が必要である。小林は122500点、武中に関しては145100点差となる。近藤誠一・・・なんという観戦記者泣かせの男であろう。
東1局 ドラ
武中は最初にある宣言をした。
「優勝条件は14万点差のトップラスを決めること。これは現実的に不可能である。私は親が流れても普通に打ちます。」と。
色々と考え方はあると思う。ただ自然に打つと宣言することで、逃げ切りたい近藤、追いかける宮原そして小林に著しい有利不利が出ないように配慮した故の宣言だろう。
そんな親の武中があっさりテンパイする。
数巡後ツモで3200オールの和了。
東1局 1本場 ドラ
小林が四暗刻のイーシャンテンに漕ぎつくも、近藤の一人テンパイで局が進む。
東2局 2本場 ドラ
親の小林がドラのタブを仕掛けテンパイ。完全に一人旅と思われたが、終局間際粘りに粘った近藤にもテンパイが入り二人テンパイ。削りたい近藤の点箱から点棒が出てこない。
東3局 4本場 ドラ
3者の中では唯一僅かなわずかな可能性がある宮原の親番。打点もなく形も悪いが足止めリーチ。
手詰まりの武中から2000は3200を和了。
東3局 5本場 ドラ
淡々と局が消化される。武中が2600は4100を和了。
東4局 ドラ
近藤の親番。近藤が手を開く・・・
ここで大差がついた時の決勝戦の戦い方の1例を紹介しよう。
ざっくり言えば『自分の親番以外和了しない』という方法である。
大量リード者をAとする。他の人が局進行しないとAが進める他なく、前に出る必要がでてくる。するとAに親放銃させるリスクを増やせるのだ。親がツモ和了する分もAの点棒を削ることが出来るため良いのだ。
他にも
・親はA以外から出上がりを基本的にしない。
・親リーチしても、A以外から出和了をしない。
・親リーチが来たらダイミンカン等でドラを増やす。
・親が仕掛けたら上家はアシストをする。
・Aが仕掛けられないように徹底的に絞る。
・Aからリーチを受けたら、親が攻め返しやすいように壁などの情報を河に流す。
など他にも多数ある。
上記を遂行するのは非常に高度な話である。決勝の場慣れもあるだろう。同卓者が同じ戦術を考えるプレーヤーであり『信頼』が必要である。協会だと鈴木たろう、鈴木達也、伊達直樹あたりはこの戦術を好む印象がある。記事を書いている私自身、斎藤俊も好むし、渋川難波も着実に行える。
・・・好むとはいえ、みんな包囲網を敷く側ではなくて大量リード側に行きたい気持ちはあるが(笑)
あくまで一例の戦術である。プレーヤーの趣向もあるし、今日の対局でこれをすることがトータルで見て良いとも限らないし、プレーヤーに強制するつもりもない。
・・・さて、対局が終わったようだ。終戦。南場をあれこれ書くことは止めておく。
スリアロチャンピオンシップ8月度優勝はもちろん近藤誠一。他3人に現実的条件を与えない最終戦だった。近藤は昨年も優勝し、さらに優勝者同士のグランドチャンピオンでも優勝した。
快進撃はどこまで続くのか、グランドチャンピオン大会連覇はあるのか。近藤の今後から目が離せない。