- 以下「麻雀界 第69号」(2016年12月1日発行)より転載 -
マージャン店も建物内禁煙に
政府は、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催を契機として、健康増進の観点に加え、近年のオリンピック・パラリンピック競技大会開催地における受動喫煙法規制の整備状況を踏まえつつ、幅広い公共の場等における受動喫煙防止対策を強化するため、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会関係府省庁連絡会議の下に、受動喫煙防止対策強化検討チームを設置し、強化策の検討を行うこととした。
そしてこのチームは、受動喫煙防止対策についてのたたき台を作成、10月31日に関係する団体からの公開ヒアリング(第1回)を行い、そこに全国麻雀業組合総連合会が出席した。
■受動喫煙防止対策について
上記チームがまとめたたたき台では、
(1) 多数の者が利用し、かつ、他施設の利用を選択することが容易でないものは、建物内禁煙とする。(官公庁、社会福祉施設等)
(2) (1)の施設のうち、特に未成年者や患者等が主に利用する施設は、受動喫煙による健康影響を防ぐ必要性が高いため、より厳しい「敷地内禁煙」とする。(学校、医療機関等)
(3) 利用者側にある程度他の施設を選択する機会があるものや、娯楽施設のように嗜好性が強いものは、原則建物内禁煙とした上で、喫煙室の設置を可能とする。(飲食店等のサービス業等)
となっており、麻雀店については、(3)の原則建物内禁煙(喫煙室設置可)という方針となっている。麻雀連合会としては、また内部での正式な方針は出していないものの、公開ヒアリングで、以下の意見を述べた。
(1)マージャンは、気分転換やストレス解消を目的としたレジャーであり、その場において、お客様が望むものに規制が加わるのは、マージャン自体も楽しめないという方が増え、産業そのものが衰退する可能性がある。
(2)多くの店舗では、風俗営業法に基づいて細かく規制があり、そのような中、許可を受けた卓数及び構造について営業しており、それでそこに喫煙室を設けるというのは、構造上も厳しいうえ、万が一、卓数を減らさざるを得ないこととなれば、店舗の存続にかかわってしまう。
(3)オリンピック・パラリンピックの成功、受動喫煙防止について業界としても協力するすもりだが、現在は、喫煙と禁煙で時間帯を分けた形での営業や分煙スペースの設置等を行っており、一律禁煙ということは見直してほしい。
全体の流れをみても禁煙についての法整備は今後着々と進められるはずであり、麻雀業界だけが緩和してもらうということは大変厳しいかもしれない。
今後業界一丸となって、受動喫煙防止に対する自主的な取り組みと規制の緩和へ向けての働きかけが必要ではないだろうか。
施設の類型 | 強化(案) | イギリス | 韓国 |
---|---|---|---|
官公庁 | 建物内禁煙 | B | C |
社会福祉施設 | 建物内禁煙 | B | C |
運動施設(スタジアム等) | 建物内禁煙 | B | C |
医療機関 | 敷地内禁煙 | B | B |
小学校、中学校、高校 | 敷地内禁煙 | B | A |
大学 | 建物内禁煙 | B | C |
サービス業 飲食店、ホテル・旅館(ロビーほか共用部分) 等のサービス業施設 |
原則建物内禁煙 (喫煙室設置可) |
B | C |
事務所(職場) | 原則建物内禁煙 (喫煙室設置可) |
B | C |
ビル等の共用部分 | 原則建物内禁煙 (喫煙室設置可) |
B | C |
駅、空港ビル、船着場、バスターミナル | 原則建物内禁煙 (喫煙室設置可) |
B | C |
バス、タクシー | 全面禁煙 | B | B |
鉄道、船舶 | 原則禁煙 (喫煙室設置可) |
B | C |
本記事に関するご紹介
【麻雀界編集部】
株式会社 日本アミューズメントサービス
TEL:03-5829-9465
FAX:03-6800-5242
定価:500円(税別・送料160円)
6ヶ月定期購読:3000円(税込・送料込)
1年間定期購読:6000円(税込・送料込)
オンライン書店・電話・FAXでお求めください。
Fujisan.co.jpで購入