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ネマタの戦術本レビュー第230回 「フリー雀荘で得するのはどっち!? 著:石井一馬その1」

ネマタの戦術本レビュー第230回 「フリー雀荘で得するのはどっち!? 著:石井一馬その1」

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テーマ1

 麻雀のルールは実に多種多様ですが、その多くが打牌判断にはさほど影響しないものです。しかし人はどうしても、「◯◯ルールならこう打つ」というように、自分にとって分かりやすいところに打牌選択の分岐点を置きがちです。ルールに応じた打ち方をしているつもりで損な選択をしている打ち手から勝ちを上げることこそ、雀荘で稼ぐためのコツと言えるかもしれません。

 ただし、ルールによって打ち方はさほど変わらないと言っても、順位に関わる話になれば話は別です。親番の価値についても、残り局数が少なければ少ないほど価値が上がります。今回は残り局数が十分ある段階のダマ30符3翻という、明確にリーチすべき手牌だったのでまず判断が変わることはないですが、相手に降りられるならリーチするか微妙になる分岐点であれば、判断が変わるケースも出てくるかもしれません。

親番連荘の価値について - とりあえず麻雀研究始めてみました

 また、「ルールが違うから打ち方を変える」打ち手は多く、相手の打ち方が変われば展開が変わり生じる局面も変わります。「ルールによって打ち方はさほど変わらない」というのは、「ルールよりもまず目の前の局面で何を切るか判断すべき」という意味で有り、いつでも同じような打ち方をすればよいという意味ではないことには注意しましょう。

テーマ2

 p16の手牌ではダマにしますが、何らかの中張牌にくっつけばタンヤオの面子候補が揃うのですから、テンパイ以前にペンチャンを払っていた方がよいケースが多いでしょう。たまたま即リーチを打たない方が有利なテンパイになることもありますが、そのようなケースが多いのであればテンパイ以前の手作りに問題がなかったか確認した方がよいでしょう。

 赤5が6枚入りのルールの平均打点についてはデータがないため具体的には分からないですが、ただでさえ面子を構成しやすい真ん中の牌が更に3枚増えるのですから、赤3枚の時点でも無条件で即リーチ有利とまでは言えなかった悪形リーチのみはもちろん、悪形リーチドラ1でも即リーチにいかない方がよいケースが増えることは言えそうです。ただその場合もリーチ判断よりは、テンパイ以前の手作りに問題がなかったかを確認した方がよいと思います。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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