最近放送対局ではすっかりヒールのイメージが定着した斎藤プロが、今最も旬な雀士を紹介していくこのコーナー。第3回は第15期雀竜位に輝いた江崎文郎プロです。
第3回 江崎文郎 前編「『江崎流 放送対局の見方』教えます!」
――タイムシフトは見た?2日目解説でちゃんと褒めたんだよ?
江崎:あぁありがとうございます。ボロクソに言ってやるとか斎藤さん意気込んでいたんでビクビクして見直してたんですから!
――そんなん冗談だよ(笑)江崎くんの解説者の理想モデルはどんな感じに?
江崎:渋川難波プロの解説を目指そうと思います。
――お、正統派解説路線ってことだね。
江崎:そうですね。何をするにもベースはしっかりしないと。渋川プロは思考をどんどん拾っていく解説だと思うんですが、私の思考が気持ち悪いくらい拾われていて驚きました。本当に気持ち悪いほど当たっていました。
――渋川プロは麻雀が本当に好きだからね~。解説目線の時、盤面見るのが本当に早い。「まぁまぁ」麻雀が強いのも頷けるよね。
江崎:渋川さんに向かってそんなこと言っちゃっていいんですか!?(笑)
――リスペクトがあるから冗談言い合えるってのはある(笑)早くから雀竜を獲って一緒に戦ってきた仲間だからね。江崎くんは3年目の戴冠だよね。
江崎:雀竜位は登竜門的な位置付けにあると思っています。小倉孝さんや斎藤さんは1年目タイトルだし、渋川さん、仲林圭さんらも入会後間もなく獲得されています。そして実は私、2年目の時は麻雀最強戦ファイナルと重なっていたため欠場しているんです。2回目のチャレンジで戴冠できました。
――プレーヤーとして目指す人は?
江崎:それはやはりやじ研でお世話になっている矢島亨プロですね。最終日の解説で、私が長考している時に「たろうや達也の打牌を思い出している」と解説がありました。もちろんそのお二方から勉強させていただいたことも思い出していたとは思いますが、ベースはやじ研になります。
――今の打ち方もそこで学んだ内容なんだね。
江崎:その勉強会を通じて大分変りましたね。特に打点への意識、手組みですかね。
――もともと麻雀は?
江崎:プロになるまで競技経験はなく、赤有の麻雀を仲間うちで打っていました。プロになった当時は協会ルールは赤ドラこそないが、一発裏アリのルールなので結構打ち方が一緒かな・・・という意識すら持っていました。
――江崎くんと俺は年代が一緒だから分かると思うけど、赤有麻雀のトレンドはスピードだったよね。牌理で最速テンパイしてリーチする、もしくは取れるテンパイは基本的に仕掛けて取っていくスタイル。先手を打たれたらベタオリみたいな。
江崎:そうでしたね。協会ルールで速度だけ意識した戦い方はかなり負けやすいと思います。速度に意識をおくと守備が難しくなるし、何より加点要素が弱い。確かに4着は減るかも知れないが、1着が取り逃すことを増やしてしまって2,3着が増えてオカがある分、ジリ貧となって安定して負けちゃいますよね。1着を取り切るという発想がとても大切だと思います。
――決定戦でも1着を取る事をしっかりと意識していた印象を受けた。
江崎:日々の学んだことを発揮できての勝利です。本当に嬉しいです。
――今までの江崎くんとこれからの江崎くんの立場、環境は大きく変わっていくと思います。雀竜位ってのは協会の1つの顔だからね。これからどんな活躍をしたいか。キャリアビジョンというか。
江崎:うーん。難しいですねぇ。今後かぁ~
――ここからだよ、ここから!タイトルという箔が付いている今どうしたいのさ!タイトルシードも沢山貰えるよ!
江崎:タイトルシード・・・いい響きですね。とりあえず可能な限りたくさんの大会に出たいですね。シードを活かしてタイトルを増やしていって、リーグ戦もどんどん昇級していきたい。特に若手に言いたいのですが、大会とかバンバン出た方がいいですよ。出ないと本当に何も始まりません。麻雀の実力や課題を知る上でも、人脈を作る上でも積極性というのは大事だと思います。ま、他人のことはともかく、今年も奢る事なく麻雀の勉強と実践を積み重ねていくのみです!
――次回のやじ研、講師として招かれたんじゃない?
江崎:実はお声かけをいただいてます。あの番組も視聴者が沢山いるので、私を知ってもらう機会にもなりますし、今度は私が教材になる番なんだなと思います。
――メディア対局出るとTwitterのフォロー人数増えるよね。
江崎:雀竜位前後で100人単位とかでフォロワー増えました。最強戦に出場した時もそうでしたが、知ってもらえる喜びがあります。さらに勉強して16期の雀竜位決定戦を「タイトルを増やした状態」で迎えます!
――タイトルを!なるほど頼もしいです。今年一年でタイトル獲れなかったら江崎くんは16期は辞退するってことで了解しました。
江崎:いやいや勘弁してくださいって(笑)
江崎 文郎(@ezaki240z)
第15期雀竜位。麻雀最強戦2015全日本プロ代表決定戦優勝。麻雀最強戦2015出場時はまったくの無名だったものの、ヒール役を演じきり注目を集めた。IT企業に勤務しながらプロ活動をしているサラリーマン雀士。