現麻本講座5でも示しましたが、2メンツ形の1シャンテンには、浮き牌があるものとないものに分けられます。メンツ候補オーバーの1シャンテンから1枚切ると多くの場合浮き牌ができますが、から打のように2枚からなるメンツ候補2組から3枚からなるメンツ候補1組になる場合は浮き牌の無い1シャンテンになります。
基本的に、浮き牌のある2メンツ形1シャンテンより、浮き牌の無い2メンツ形1シャンテンの方が、受け入れが広くなるので「よい手」になります。「余り牌が出ないようにメンツ候補オーバーを嫌う」「メンツ候補は奇数枚で合わせる」という格言がありますが、これは、2メンツ形1シャンテンになった時に浮き牌の無い1シャンテンになりやすくするため、現麻本で言うところの、「アガリに近い段階の受け入れ優先(手作りの法則3)」です。しかし、手作りの基本はあくまで、「よい手」になる受け入れ優先。余り牌ができてもその方が「よい手」であればそちらを選ぶべきです。
ドラ
何切るのテンプレとも言える問題です。解答は打。のような飛びトイツは、+のように受け入れがかぶっているカンチャン2組ともみなせます。とで両方受けがかぶっているので、真ん中のを切っても受けが残り最も受け入れが広くなるわけです。
しかし、これがあまりにも有名であるためか、多くの打ち手が無意識のうちに、受け入れがかぶっている形を過小評価しているように見受けられます。
ドラ
似たような形ですが、よく見ると今度はどのトイツを落としても受け入れ枚数に差がつきません。それなら打とすればツモでイーペーコーがつくので、よい手になる受け入れで勝ります。
ドラ
打の方が打より2枚受け入れが広いですが、ツモでイーペーコーがつくので、これも高打点の受け入れ優先で打。異論も多かったですが、リーチドラ1の平均アガリ点は約4600点、リーチイーペーコードラ1の平均アガリ点は約7100点と1.5倍以上になるのでイーペーコーの1翻も案外バカになりません。
ただし、が1枚切れなら、を引いてもアガリ牌が残り2枚ではあがりづらいので打とするのが無難です。1シャンテンの段階でテンパイする牌が場に全く切られてない方が珍しいもの。受けかぶりのメンツ候補はメンツができる牌が場に切られると特に価値が落ちるので、実戦では牌の切れ具合に注意が必要です。
とは言っても、第12回で申したように、「テンパイする前に場に切られたら苦しくなる」と考える必要はありません。あくまですぐテンパイした時に、「よい手」になる受け入れを優先するように打てば結構です。
ドラ
チートイ1シャンテンでもあり、ツモはタンヤオがつかなくなる。リーチタンヤオチートイツなら打点的にリーチ平和高めタンヤオと比べても「よい手」で、打としても悪形テンパイになる場合もある。これなら打が有力そうですね。
次回から講座7の補足に入ります。
この連載の目次ページを見る