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もっと勝つための現代麻雀技術論 第135回 「カンの判断」

もっと勝つための現代麻雀技術論 第135回 「カンの判断」

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今回は8、カンについて取り上げます。

テンパイ時のカン判断

 カンと打点上昇その4・自分副露聴牌時のカン判断 - とりあえず麻雀研究始めてみました

 こちらのシミュレートの結果にありますように、先制テンパイならほぼカン有利(ただし、大ミンカンに関してはツモが増えるわけでもなく、手牌構成が読まれやすくもなるので、打点が上昇しやすい、鳴いて2、3翻手のテンパイに留めるのが無難とみる)。

 他家にリーチされている場合ですら多くの場合カンが悪くありません。カンは他家にもカンドラを乗せてしまうのでリスクが高く、場を荒らす選択として嫌われがちなだけに意外な結果かもしれません。

 カンした側はカンドラだけでなく符ハネや1回多くツモれるメリットもあるので、アガリに近ければカンした人が恩恵を受けることが多く、逆に損をする可能性は少なくなるわけですが、第3回で申しましたように、「人は珍しいことほど印象に残りやすいので、高確率で起こることを実際より低く、低確率で起こることは実際より高いと感じてしまう」ことが、カンが過小評価されてきた理由かもしれません。

 上のシミュレートは平場を想定したものなので、点数状況的にリスク回避を重視したい場合はこの限りではありません。そのあたりの判断については、押し引き、状況判断の回で取り上げられればと思います。

1シャンテン時のカン判断

 カンと打点上昇その4・自分一向聴時のカン判断 - とりあえず麻雀研究始めてみました

 さすがに他家からのリーチが入っているなら1シャンテンからカンするのは損なことが多いですが、他家の動きがないなら、打点があまり上昇しないリャンメン×2の鳴き手1翻の1シャンテンでもカンが悪くありません。他家の動きがない場合は1回多くツモれることでアガリ率が高くなる影響が意外と大きいですね。

 テンパイに遠い段階ならカンしない方がいいですが、テンパイに遠い段階で多小受け入れを狭めてもアガリ率にはほぼ差がつかないので、テンパイに近い段階でカンすることによって打点上昇+ツモ1回の目が残っている方が「よい手」とみて基本的にカン材は引っ張ります。

カンすることで手牌構成が変わる場合のカン判断 

 ドラ

 をカンするとを引いた場合に単騎テンパイになってしまいます。リーチ平和になる方が明確に「よい手」なのでカンせずに打とします。

 もしの代わりにが4枚なら、今度は単騎待ちでもリーチの70符2翻(カンドラが乗れば更に高い)ならリャンメンリーチのみに比べて「よい手」なのでカンします。

 

 ドラ

 打とするとペンですが、をカンすると(もしくはツモった来た牌)とのくっつき1シャンテンになります。カンで打点が増えるのでどのようにくっついても即リーチより「よい手」になるので、第4回で取り上げた手変わり待ち基準も満たしていますね。

 シャンテン変わらずの鳴きについてはとりあえずここまで(一発消しやハイテイずらしは押し引きの回で取り上げます)。次回からは講座25、鳴きを考慮した手作りの補足に入ります。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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