- 『ネマタの第九期天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第九期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
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第五節二回戦A卓
東3局
点差のついたラス目につき1000点で局を流すメリットは薄いですが、役牌をスルーするとアガリ自体が難しい。役牌2ドラ2か役牌ドラ3の満貫をみた一打。ツモでピンズペンチャンを払う選択をみてから切ります。
ここでもテンパイを外してドラへのくっつき狙い。ここで外すなら前巡の打の時点でペンチャン落とし。を残してツモならテンパイに取りつつトイトイ変化を残す手もありましたが、対門がマンズホンイツ傾向なので先切りしたというところでしょうか。
くっつき1シャンテンにつき基本はツモ切りですが、へのくっつきがやや弱く、将来危険になりやすいという理由で比較的通りやすい残しというところでしょうか。チーからのチンイツ移行まで見ているのかもしれません。個人的にはくっつき1シャンテンの形から安牌を抱えた試しがないので選びにくい一打です。
西家の手が進んだので、テンパイを逃すはツモ切らず一旦打。ツモで待ちのリーチを打ちます。ピンズのくっつきが十分強いというのもを先切りする要因になりますが判断が難しいところです。
東4局
ツモのテンパイ逃しも打として123三色とドラ受けの残るくっつき1シャンテン。リーチのみシャンポンテンパイに勝るとみてシャンテン戻し。
手がかりの少ないリーチに対しては悪形ドラ1でも追っかけリーチ。結果的には3メンチャンと山に残り1枚のペンチャンのめくり合いになりましたが、南家が先にラス牌のをつかみました。
南4局
オーラス振らなければトップ安泰とは言えませんが、振らなければトップを維持できる展開になることも多い点数状況。メンツを完成させた方がアガリやすくなるので仕掛けますが、比較的安牌になりやすい牌を残しつつ手を進めます。
アンカンからをツモって待ちに切り替え。アガればトップ確定なので、打として出アガリ狙いも考えられました。
しかし、この河で上家のも鳴いていないとなると、たとえを切ったところで、待ち候補はの周辺しか残っていないと読まれそうです。それならでアガった時に跳満にするに越したことはないというところでしょうか。
しかし、いかに怪しいと思っていても、通る理由を探すだけのリターンがあるうちはつい切ってしまうこともあります。ここからツモ裏裏でラス回避できるチートイツテンパイとなれば、を切っていた場合はが飛び出ていたかもしれません。
北家はテンパイノーテンで着順が変わるのでテンパイに取りたいところ。西家は3フーロから手出しで。単騎から別の単騎に手変わりと読めます。ポンされているは単騎で当たらない…のですが、単騎と別の待ちが複合しているケースは例外。この放銃は仕方ありませんが、唯一といってよいパターンがそのまま残っていて放銃となると何かと悔しいものですね。