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ネマタの第九期天鳳名人戦牌譜検討  第79回

ネマタの第九期天鳳名人戦牌譜検討 第79回

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ネマタの第九期天鳳名人戦牌譜検討とは
  • 『ネマタの第九期天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第九期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。

第七節四回戦A卓

▼対局者
おかもと
就活生@川村軍団
独歩
Ⓢ福地誠

牌譜はこちら

東1局

西家がをポンして打。前巡に手出しでをトイツ落とししているので回った可能性が高く、も仕掛けに通りやすい牌となると、放銃リスクを負わずにテンパイを目指していてノーテンの可能性が高そうです。とはいえは別の他家にも通っていないところ。の周辺牌が放銃牌の可能性もあり、その場合はを止めれば放銃を回避しつつテンパイに取ることができます。

テンパイが入った西家は結果的に2000点放銃となりましたが、をスルーしていれば流局時一人ノーテンもありました。他家に容易にテンパイ料を取らせないためにも、ノーテンからでも放銃リスクを負わない範囲であればテンパイを目指すことの重要性が分かります。

東2局

タンヤオもドラも1翻。将来他家の放銃牌になりやすいのはよりなので打としたところからテンパイを逃すツモ。今度は打ツモの打点、ツモはフリテンに受けず待ちに受けられる。打ツモで出ていくは東家に放銃する可能性が高い。どの点からも打優位と言えます。

しかし結果的には西家に単騎のテンパイが入り振り込みより高い失点。手順が正しいが故の裏目につぐ裏目。麻雀ではよくあることです。

東3局

ドラでアガってもほぼ打点が変わらないのでアガリやすいようにドラ待ちに受けずカンに受けます。

アガリ逃しのドラツモ。一旦アガリ牌が残り1枚になりますが、多メンチャンや他のヤオチュウ牌単騎、跳満の可能性。ドラを切るとテンパイが読まれやすい。以上を踏まえての単騎待ち替えというところでしょうか。個人的には場況から待ちが山に残っている可能性が高いことを評価してツモ切りを選んでそうです。

形としては四暗刻1シャンテンでしたが、が既に枯れていて、メンゼンでテンパイすれば四暗刻でなくても高い手なのでトイツ落とし。

東家は出アガリ狙いとしては絶好の単騎に受けられましたが、ツモで再度アガリ逃したうえに満貫放銃。観ている側としては面白いですが、対局者としては厳しい展開です。

南1局1本場

西家からリーチが入りこちらは2シャンテン。ほぼ降りることになりますが、現物ではなく3枚見えの切り。仮に西家が単騎だったとした場合、ここで現物を切っても放銃を回避できるのは流局まで現物が尽きなかった場合のみ。それならメンツを抜かずに低確率でもテンパイに取れる可能性を残します。

前巡1シャンテンになりましたが、カン2枚切れでは流石に厳しいので打。ツモで受けが増え、ワンチャンスになった打もワンチャンスかつ1シャンテンに受けられますが…

西家のアガリ牌をツモりましたが、打で放銃リスクを負わずテンパイに取れる目が残り、を残したことが活きました。

そしてラス牌のツモでテンパイ!がリーチの現物ですが、ここまでくれば現物待ちの効果は薄い。しかもリーチが入った時点で現物で、将来別の他家がテンパイした時は放銃牌になる。降りている他家がここまで切っていないとなると、山に残っている可能性が高いと言えます。

テンパイを入れていた南家がリーチを受けてを止めて降り。出場所最高のアガリを逃したかと思いきや、北家が一発消しの鳴きを入れたので西家のアガリ牌が東家から北家に流れ、海底牌のが西家に回り河底で東家のアガリ。しかも裏が乗って一撃で終了。ツモがずれたのは結果論でしかありませんが、降りるよりないと思われていたところからの正確な回し打ちが功を奏し、何とも劇的な半荘になりました。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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