第四章
Q14 打
チートイツ1シャンテン。面子手2シャンテン。四暗刻1シャンテンへの変化を見切ってまでチートイツテンパイを優先するほどではないですが、先にを引いて面子手1シャンテンになってもチートイツ1シャンテンに比べてよりよい手になっているかどうかは微妙なので、比較的山に生きている可能性が高く、テンパイした時に出アガリがしやすいようにを残して切ります。テンパイした時の待ちの強さ重視も、変化より受け入れ優先の一環です。
ただ、後々のリャンメン落としを見せるとチートイツが読まれやすくなるというデメリットはあります。ただ、これだけではチートイツと断定するには弱く、で待つ方が有利というわけではない以上、引いたところは打とします。
ツモなら打でテンパイ取らずとありますが、次巡即をツモったというのであれば有力だと思います。序盤で手変わりが多いチートイツのみをダマにする場合は、「科学する麻雀」(講談社版)によるとアガリ牌が出ても見逃し有利(ただし、よい待ちに手変わりした場合に、リーチや裏ドラで高打点になる影響があるので、一発裏ドラ無しでも適用してよいのかは不明)なので、一旦ノーテンに受けて損するのはアガリ牌をツモってきた場合のみ。
一方、巡目が十分あるうちに暗刻ができて2暗刻4対子になった場合も、次巡高確率でチートイツをテンパイできるように暗刻を外すより、対子を外してツモり四暗刻の1シャンテンに受ける方が、対子もあるので鳴いても打点が高くなりやすいことから有利ですから、現時点では待ち頃の牌を引いたら打で即リーチ、先にアンコができればトイツ落としが有力ではないでしょうか。
Q15 打
ドラを実質的な面子候補と捉えれば面子候補オーバー。にくっつくようなら、が残っている方が役牌重なりから更に打点上昇の目を残せる分よい手になりますし、低確率ですがピンズのホンイツになればドラを切っても高打点が見込めます。
一発裏ドラ、テンパイ料が無いルールなので打点寄りに打った方がよいというのもあります。場に高いソーズカンチャンよりは、ドラやダブ東の方が高価値で、やを残すつもりなら発も残していた方がアガリに近い段階でよりよい手になるという考えです。本書では「絞り」の効果ばかりが強調されていますが、今回はむしろ絞りよりも、役牌の重なりを狙う「抱え」としての意味合いの方が大きいのではないでしょうか。
本記事に関するご紹介
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