第4章 ベタオリ判断
11 打 リャンメンに当たらないのはで、このうちは対面に悪形待ちでは当たりづらいとは言えない。は対面には最後のを持っている場合は当たり得る、下家には他も悪形残りでから打としている場合は当たり得る。は対面には先切りから当たりづらい、下家には最後のを持っている場合は当たり得る。どちらが通りやすいかは何とも言えないところなので、2枚持っているからでしょうか。今回に限らず、「当たるとすればどのような待ちになっているか」を考えるのが、現物が無いところからベタ降りするうえでのコツです。
12 打 この問題に限り手出しツモ切りが表示されていませんが、手牌が全て無スジで、が共に3枚見えなのでも悪形には当たりにくく他の牌に比べ放銃率自体に大差ないならテンパイを崩すほどではないとみます。今回はトップ目ですが、トップ目でなければむしろ安牌があってもテンパイ料を取りに行く選択が悪くないのでテンパイ取りの価値を高くみました。
13 打 なら打リーチ、ならがあるのでからは打とされることが多いので、通常ならは、スジの中でも悪形にも当たりにくい部類と言えるかもしれませんが、が切られた時点でが薄い、供託リーチ棒が多いので受けを残す必要性が低いため、北家があえて待ちを残したケースも有り得るところです。
悪形にも当たりにくいと言っても、「そもそも当たるような面子候補が手牌に残っていることが考えにくい」場合と、「面子候補が残っている可能性は高いが、待ち選択で他の待ちに受けることが普通」という場合では話が変わってきます。前者は安全牌に近いと言ってもいいですが、後者は、何らかの理由でその待ちに受けなかった場合はむしろ高確率で放銃することになります。今回のは後者に相当する牌で、北家の打ち筋によってはを待ちにしていると言えるだけの理由もあるので、単純に当たる組み合わせが少ない北の方が通りやすいと言えそうです。ただし、実戦では北家があえて待ちに受ける可能性までは想定しきれず、がリーチ者の役牌ということもありを選んでそうです。
「その待ちに受けない何らかの理由」には、他家の選択ミスも含まれます。このため、ミスが多い打ち手相手には読みを入れるべきでないと主張されることもありますが、他家がどの程度ミスをするかというのもいわば読みの一種。打ち筋の違いやミスを考慮しても流石に外れることは少ないと言えるだけの読みを入れられる場合もありますし、相手の力量が劣るが故に読めるケースも有り得ます。あくまで読みを打牌に反映するかどうかは読みが外れた場合のリスクもふまえたうえで考えるべきでしょう。
14 打 役牌が全部見えているので、東家の手役はほぼトイトイ確定。ノーテンなら残される可能性が高いであろうドラも切っているのでテンパイ濃厚。トイトイ確定となると待ちの候補もかなり絞られ、やも通常のリーチに無筋を押すのと同程度かそれ以上に当たる可能性が高いとなるとこの1シャンテンからは降り。ドラとはいえ手順上南家に対しても大体通るドラ切りとします。手役が限定されている仕掛けに対しては、筋やノーチャンス、字牌といった、通常リーチであれば通りやすいと言える牌についても通りやすいとは言えず、むしろ待ちが絞られやすいことから相対的に危険度が大きく上がっているということについては注意が必要です。