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ネマタの戦術本レビュー第143回「天才雀士3人に麻雀のことを聞いたらバカ勝ちできた。 著:ASAPIN その3」

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テーマ3「カンチャンドラ1はリーチか」

 先制テンパイで、手変わりが特に強い手というわけでもなければ、役無しカンチャンドラ1はもちろん、ドラ0であってもリーチしています。最近は悪形リーチのみはなるべく避けるという傾向も見られますが、一般論として先制悪形リーチのみは不利ではないことはこちらで示されています。
http://epsilon69399.blog20.fc2.com/blog-entry-729.html

 但し、テンパイ以前の段階では、より良形、高打点の手になる(シャンテン数が進む)受け入れを優先して残しますし、手変わりについても単純な浮き牌3〜7より価値が高い牌については悪形面子候補より優先して残します。また、悪形面子候補同士でも、テンパイした時に比較的出アガリしやすい、あるいはツモアガリしやすい待ちを残すことを意識します。

 そうすると、悪形リーチのみの手になるのは、よりよい手になるような受けや手変わりに関する牌を引く前にたまたまテンパイした時に限られるので、リーチを打つのは不利、あるいは不利とまでは言えなくても微妙な手牌になることは自然と少なくなると思います。
 
  ドラ 

競技麻雀の強者は打とすると本書でありますが、私はこの手牌ならどのルールでも打とします。「打としてツモでも即リーチする」打ち手と、「この手で打として、悪形リーチのみは絶対に打たない」打ち手では、他に差が無ければ後者の方がよりよい結果を残すと私は予想します。悪形のみ手をリーチするのが不利なのではなく、「テンパイすれば何でもリーチ」と考える打ち手の多くは、テンパイまでの手組が疎かになってしまい、結果的に不利な勝負が多くなっているというのが真相ではないでしょうか。

 「よりよい手の受け入れ優先」と言っても、実戦では悪形リーチのみ、あるいは他にドラや役があっても待ちが特に悪い、あるいは先制テンパイとは言い辛く放銃のリスクも大きいようなケースも出現します。そうなった時はそこで場況に着目してリーチ以外の判断も考慮に入れます。具体例を逐一取り上げていけばそれだけで一つの戦術書ができそうなのでここでは省略させていただきますが、前回も申しましたように、ルールや他家の打ち筋よりも、現状置かれた局面に応じて打牌判断を優先すべきです。例えば天鳳ルールは放銃のリスクが大きいので悪形リーチは打ちづらいとされますが。それは押し返す側にとっても同じなので追いかけられる可能性は減っているとも言えます。また、押しが強い人相手であれば追いつかれる可能性自体は増えますが、その分アガリ率も増えますし、そのおかげで勝負手が入る可能性があった別の他家のアガリを阻止できる場合もあるかもしれません。

 この話は次回以降もまたすることになるかもしれませんが、「ルールや他家の打ち筋は局面に影響し、その局面の違いで打牌判断は変わり得るが、ルールや他家の打ち筋が直接打牌判断に影響することはあまり多くない。」と言うことです。実力者同士でも、「ルールによるかどうか」という話で議論になることが多いですが、結局のところ、後者のみをルールの影響とするか、前者をひっくるめてそう呼ぶのかの違いにあると言えそうです。私は麻雀戦術を研究するうえで、前者と後者は明確に区別されるのが望ましいと考えていますので、「現麻本」にて、「麻雀は思われているほどルールによって大きく打ち方は変わらない」と申し上げました。

・ その他リーチ判断

 子の8巡目先制ダマ満貫(4翻)リャンメンテンパイをダマにした場合、アガリ率は約70%、アガリ点は8000点。一方リーチして全員がベタ降りした場合、流局までにアガリ牌をツモる確率は約50%、アガリ点は必ずツモがつくので12000点以上。あがれなかった場合もテンパイ料の収入があります。12000×0.5=6000>8000×0.7=5600ですから、局収支期待値上は、全員が降りたとしてもリーチ有利になります。
 但し、テーマ1でも申しましたように、順位点を考慮すると単に局収支で比較した場合よりリーチの優位性は弱まります。トップが偉いルールならリーチもよく言われますが、これも、「2着でも偉いルール」「ラスのマイナスが大きいルール」に比べればリーチ寄りということであり、順位点の影響が小さいルールに比べればダマ寄りと考えます。どのあたりが分岐点になるかは今後の課題ですが、ルールの中でも順位点関連は打ち方に影響を与えやすいですし、高打点の手はアガりさえすれば、次局以降点数状況が平場の領域を離れることも多いので、平場に近い局面であっても点数状況を考慮に入れる機会が増えることは言えそうです。

 からの待ち選択(リーチ)については、基本的にに5000点相当の祝儀があるルールなら打リーチ、そうでないなら打リーチとします。

http://epsilon69399.blog20.fc2.com/blog-entry-733.html

 

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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