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ネマタの戦術本レビュー第208回「進化するデジタル麻雀 著:石橋伸洋 その15」

ネマタの戦術本レビュー第208回「進化するデジタル麻雀 著:石橋伸洋 その15」

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例題29

 を切っていてリーチ宣言牌は例題26同様、浮き牌でも面子の一部でもなく、面子候補の一部と分かります。を切っていることから考えられるのはを含む面子候補。が本線になるので、はスジとはいえ危険牌の候補、頭頭の形であれば当たる可能性はありますが、牌の組み合わせ的にかなり限定的と言えます。

 トイツを落とせば1シャンテンになる手牌は、トイツ落としをしてそのままテンパイすればテンパイ時に出て行く牌が現物なので、受け入れが狭い1シャンテンであっても押せる領域が増えますし、通す牌が1種であれば今回のように読みによって通せると読んで押し返せるケースも増えます。

 先制リーチに1シャンテンからは降りる事が基本であるからこそ、実戦ではセオリーを覆す選択がないかを意識して考えるようにしましょう。

例題30

 既にを切っているのに、リーチ者の1巡前のは手出し。浮き牌であると考えると不自然ですが、今回はも切られているので面子候補の一部であるとも考えにくい。よって考えられるのは面子の一部。が4枚見えなので、アンコや空切りが否定され、を引いてのスライドであると分かります。スライドであると分かれば、本書に示されている通りリャンメンの待ちでは当たらず、今回は手順的にリャンメン以外の待ちでが当たるパターンも考えにくいのでは通ります。

 当たり牌を一点で読めるケースはかなり限定的で、そもそも一点で読めなくても危険であることは分かるので、押し引き判断に影響するケースは限られますが、安牌が読めるケースは多いうえに実用性が高いと言えます。

 安牌が読めるなら押せる領域が増えますし、手作りの段階でも安牌を抱える必要性が低くなるのでより積極的にアガリを追えるようになります。守りの技術がそのまま攻めにも使える。麻雀における技術は攻防一体です。

本記事に関するご紹介

前著「黒いデジタル麻雀」で概念的に説明された戦術論を具体的な局面に落とし込んで解説しています。41の例題が収録されていますが、それらは決して単なる何切る問題ではなく、何を切り、何を考えておくべきかを問うています。ハイレベルになった現代麻雀において勝ち続けるにはここまで深く考えなければいけないのかと驚かされます。
 
石橋 伸洋 (著)
発売日:2016年10月26日
定価:本体1,490円+税
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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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